札幌・北海道で仮想通貨は買える?まず現状を整理
結論から言うと、札幌でも仮想通貨(暗号資産法律上の正式名称。資金決済法では「暗号資産」と呼び、ビットコインやイーサリアムなどが含まれる。)は東京と同じ条件で買えます。日本の取引所はすべてスマホとネットで完結するので、口座開設、入金、購入、出金のどれにも「地域差」はほとんどありません。違いが出るのは、窓口や機械といった物理的なインフラと、地元の銀行のルールです。
金融庁の暗号資産交換業者登録一覧(2026年9月30日時点)に載っている27社のうち、25社は東京、2社は大阪に本社があります。北海道財務局に登録された交換業者は1社もありません。ビットコインATMも、稼働が確認できるのは東京・秋葉原と大阪の数台だけで、道内には見当たりません。有志が決済可能な店舗を登録する地図サービスBTC Mapでも、北海道の登録はゼロでした。
つまり札幌で暗号資産を扱う人にとって、主な窓口は「スマホの中」です。そのうえで知っておきたいのが、北海道銀行などの振込ルール、札幌国税局の管轄、そして道内で動いているマイニングやデータセンター、NFTの取り組みです。以下で順番に見ていきます。
Map: svg-maps/japan, CC BY 4.0
- 交換業者の本社
- なし(全27社が東京・大阪)
- 暗号資産ATM
- 道内になし。最寄りは東京・秋葉原
- BTC Map登録店舗
- 0件
- 税務の統括
- 札幌国税局(札幌市中央区大通西10丁目)
- 財務局
- 北海道財務局
- 地元銀行の注意点
- 北海道銀行は名義が異なる取引所あての振込を制限
北海道でビットコインのマイニングは行われている?

北海道で唯一、具体的な計画として報じられているのが、宗谷地方の豊富町(とよとみちょう)でのマイニング取引の記録をまとめる計算競争に参加し、報酬として新しいビットコインを受け取ること。大量の電力を使う。です。北海道新聞(2025年6月27日)によると、東京電力パワーグリッドの子会社アジャイルエナジーXが、豊富温泉地区で湧き出る天然ガスを使って発電し、その電力でビットコインを採掘する事業を発表しました。
報道によれば、装置と事務所を構えて稼働させるのは2026年4月以降の計画で、マイニング機器から出る排熱は魚の陸上養殖や野菜の水耕栽培に使う構想もあります。地元で使い道の少なかったエネルギーを現地で電力に変え、熱まで地域で活用しようという発想です。
ただし、実際に稼働を始めたかどうかは、この記事の執筆時点で同社や豊富町の公式発表から確認できていません。「北海道で大規模なビットコインマイニングが行われている」と言い切れる材料はまだない、というのが正確なところです。続報が出たら更新します。
アジャイルエナジーXは2022年に設立された会社で、これまでは栃木県や群馬県の太陽光発電所の隣にマイニング機器を置き、出力制御で捨てられがちな再生可能エネルギーを活用してきたと報じられています。電力会社グループがマイニングを「電力の調整弁」として使う動きは海外でも見られ、豊富町の計画はその北海道版と言えます。
個人でマイニングしたら税金は?
国税庁のFAQでは、マイニングで得た暗号資産は受け取った時点の時価で所得になるとされています。給与所得者なら原則として雑所得給与・事業などに当てはまらない所得の区分。他の所得と合算して税率が決まる(総合課税)。で、電気代や機器の費用のうち必要経費と認められる部分を差し引けます。寒冷地は機器の冷却に有利と言われますが、家庭用の電気料金で採算が合うかは別問題です。始める前に、電力単価と機器の消費電力で収支を試算しておきましょう。
石狩・苫小牧のデータセンターは暗号資産と関係がある?
北海道は再生可能エネルギーと冷涼な気候を武器に、データセンターの誘致が急速に進んでいる地域です。ただし、現在の主役は生成AIであって、暗号資産のマイニングではありません。ここは混同されやすいので、事実を分けて整理しておきます。
石狩市は2026年7月28日、「石狩データセンターコンソーシアム」の発足を発表しました。報道(ASCIIほか)によると、さくらインターネット、京セラコミュニケーションシステム、ブロードバンドタワー、東急不動産、NTT東日本など予定を含む11社が参加し、東京大学の江崎浩教授がアドバイザーを務めます。関東・関西に次ぐ国内3番目のデータセンター拠点を目指す構想です。
苫小牧では、ソフトバンクが生成AI向けの大規模拠点「Brain DataCenter」を2026年度に開業する計画です。同社の公式ページによると、受電容量は将来的に300メガワット超、敷地は約70万平方メートルで、北海道産の再生可能エネルギー100%で運用するとしています。ページの中に暗号資産やマイニングへの言及はありません。
| プロジェクト | 場所 | 目的 | 状況 | 暗号資産との関係 |
|---|---|---|---|---|
| アジャイルエナジーX(東電PG子会社) | 豊富町(宗谷) | 天然ガス発電によるビットコインのマイニング | 2026年4月以降の稼働を計画。稼働は未確認 | 直接関係あり |
| 石狩データセンターコンソーシアム | 石狩市 | 国内第3のデータセンター拠点づくり | 2026年7月28日に発足を発表 | なし(AI・クラウド向け) |
| ソフトバンク Brain DataCenter | 苫小牧市 | 生成AI向けの大規模データセンター | 2026年度の開業を予定 | なし(公式ページに記載なし) |
「北海道=安い電力でマイニングの聖地」というイメージは、少なくとも公開情報からは裏付けられません。実際に確認できるのは、天然ガスを使う計画が1件と、AI向けのデータセンター投資が複数、という構図です。
北海道の自治体NFTとふるさと納税
暗号資産そのものではありませんが、ブロックチェーンを使った自治体の取り組みでは、北海道は全国でも早く動いた地域です。代表例がNFTブロックチェーン上で発行される、唯一性を証明できるデジタルデータ。アート、会員証、証明書などに使われる。をふるさと納税の返礼品にする試みです。
- 2020年11月株式会社あるやうむ設立(札幌市北区) NFTを使った地域活性化、ふるさと納税NFTや観光NFTを手がける札幌の企業。
- 2022年4月22日上士幌町がNFT返礼品を開始 ドローンショーの映像NFTを返礼品に。「全国初」と報じられたが、余市町と並んで最初期の事例とみるのが妥当。
- 2022年5月7日余市町のNFTアート返礼品 ワインをテーマにしたイラストレーターPokiさんの作品54種をPolygonイーサリアムと互換性のあるブロックチェーンの一つ。手数料が安く、NFTの発行によく使われる。上で発行。寄付額12万円から。
- 2024年5月21日北海道銀行系ファンドがあるやうむに出資 北海道銀行と北海道ベンチャーキャピタルの「北海道グロース1号ファンド」から約1,000万円。
- 2025年11月17日自治体向けNFT・権利プラットフォーム「TOKKEN」 あるやうむが公開。初期の連携先にむかわ町。
余市町の事例は、町とあるやうむ、トラストバンクの3者が2022年4月28日のプレスリリースで発表したもので、ふるさとチョイスで寄付を受け付けました。地元の地方銀行グループが札幌のWeb3企業に出資した点も、北海道銀行のニュースリリースで確認できます。全国の自治体NFTの流れは日本のWeb3ゲームとNFTのガイドでも紹介しています。
札幌から仮想通貨を買う手順
手順そのものは全国共通です。札幌在住の人が迷いやすいのは「どの銀行から入金するか」なので、そこに重点を置いて流れを整理します。
金融庁登録の取引所を選ぶ
登録番号を金融庁登録の取引所一覧で確認します。手数料の違いは手数料比較が参考になります。無登録の海外業者は日本居住者を相手に営業できません。
スマホで本人確認(eKYC)
マイナンバーカードのICチップを読み取るeKYCスマホで本人確認書類と顔を撮影・読み取りして、オンラインで完結させる本人確認の方法。なら最短で当日中に審査が終わります。運転免許証や在留カードも使えます。
本人名義の口座から日本円を入金
GMOコインならゆうちょ銀行、PayPay銀行、ドコモSMTBネット銀行からの即時入金が無料です。北海道銀行や北洋銀行などの地方銀行は即時入金の対象外なので、通常の振込になります。
販売所か取引所で購入
少額でまず試すなら操作が簡単な販売所取引所が売り手・買い手の相手方になって売買する形式。操作は簡単だが、買値と売値の差(スプレッド)が実質的なコストになる。、金額が大きくなったら手数料の安い板取引に切り替えるのが基本です。
取引履歴を保存する
年間取引報告書と取引履歴を毎年ダウンロードしておくと、確定申告で慌てずに済みます。
画面ごとの詳しい流れはビットコインの買い方、銀行・コンビニ・PayPayなど入金手段の比較は入金・購入方法まとめで解説しています。ゆうちょ銀行は道内でも店舗やATMを使いやすいので、地方銀行をメインにしている人が即時入金用にサブ口座として使う方法もあります。GMOコインの入出金条件はGMOコインのレビューにまとめました。
北海道銀行から取引所に入金するときの注意点
2024年2月6日、警察庁は金融庁と連携して、全国銀行協会や地方銀行協会などに詐欺対策の強化を要請しました。その柱の一つが、「暗号資産交換業者の口座あてに、送金元の口座名義と異なる依頼人名で送金する取引は拒否する」というものです。投資詐欺の被害金が、別人の名前で取引所に振り込まれるケースが多発していたためです。
北海道銀行はこの要請を受けて、口座名義と異なる依頼人名での暗号資産交換業者あての振込を2025年2月から制限しています。さらに2026年5月18日からは資金移動業者あても対象に加えました。ゆうちょ銀行も、取引所への不審な送金があった場合に口座の利用を制限することがあると告知しています。
- 振込は必ず本人名義の口座から行う(家族の口座からは不可)
- 取引所が指定する「名前の前の数字」などはそのまま付けてよい
- 依頼人名を英字やニックネームに変えない
- 北洋銀行など他行の具体的な基準は、各行のお知らせで確認する
- SNSで知り合った人に「この口座に振り込んで」と言われたら詐欺を疑う
北洋銀行や道内の信用金庫の個別ルールは、今回確認できた公式資料がありませんでした。ただ、上記の要請は全国の金融機関団体あてなので、多くの金融機関で同じ考え方が採られているとみてよいでしょう。詐欺の具体的な手口は暗号資産詐欺の手口と対策で解説しています。
札幌国税局の管轄と確定申告
北海道に住む人の確定申告は、住所地を管轄する税務署に提出します。道内の税務署を統括しているのが札幌国税局で、所在地は札幌市中央区大通西10丁目の札幌第2合同庁舎、代表電話は011-231-5011です。とはいえ、窓口に行かなくてもe-Taxで自宅から申告できますし、自分の管轄の税務署は国税庁のサイトで郵便番号から調べられます。
税金のルール自体は全国共通です。暗号資産の利益は原則として雑所得になり、給与などと合算して所得税5〜45%と住民税10%がかかります(最高55%)。日本円に換えたときだけでなく、暗号資産同士の交換や、暗号資産での支払いも課税のタイミングになります。会社員で給与以外の所得が年20万円以下なら所得税の確定申告は不要ですが、住民税の申告は別途必要です。
2026年3月31日に公布された改正法で、一定の暗号資産の利益を20%(復興特別所得税を含め20.315%)の申告分離課税他の所得と合算せず、その所得だけに一律の税率をかける方式。株式の譲渡益と同じ考え方。にする仕組みが決まりました。開始は新しい金商法の施行後で、早くても2028年と見込まれます。計算方法は仮想通貨の税金ガイド、改正の中身は分離課税20%はいつからで詳しく説明しています。
冬の観光客と外国人住民の事情
北海道の在留外国人は2025年末で77,401人と、前年から14.7%増えました(出入国在留管理庁)。在留カードを持ち、日本に住所がある中長期在留者なら、国内の多くの取引所で日本人と同じように口座を開けます。2026年1月からは、口座開設時に税務上の居住国を申告する手続き(CARF)も始まっているので、母国の納税者番号を手元に用意しておくとスムーズです。
一方、スキーシーズンにニセコや札幌を訪れる短期の旅行者は、日本の取引所の本人確認を通れません。道内には暗号資産ATMもないため、現地で「ビットコインを円に換える」手段は事実上ありません。現実的なのは、母国で使っている暗号資産連動のデビットカードやクレジットカードを、Visa・Mastercardが使えるお店で使う方法です。
2026年9月30日からは、海外のBinance Payユーザーが全国のPayPay加盟店でQRコード決済できる仕組みも始まりました。お店側は日本円で受け取ります。ただし、これは訪日客向けの機能で、日本の居住者やBinance Japanのユーザーは対象外です。カード払いでも暗号資産の売却とみなされ、母国で課税される場合がある点は旅行者も覚えておきましょう。詳しくは仮想通貨が使える店と仮想通貨カードのページへ。
札幌のブロックチェーン勉強会・イベント
札幌で定期的に開かれている暗号資産のミートアップは、今回の調査では見つかりませんでした。Meetup.comには「札幌仮想通貨ブロックチェーンMeetup」というグループがありますが、確認時点で予定されているイベントはありませんでした。Lumaには、札幌・大通のTKP会議室で開かれたカルダノ(Cardano)をテーマにした勉強会の記録が残っています。
Connpassでは2026年1月に札幌で金融データ技術の勉強会が開かれていますが、暗号資産を主題にしたものではありません。札幌市や北海道がWeb3に特化した支援プログラムを持っている例も確認できませんでした。地元の取り組みとして確かなのは、前述のあるやうむのような企業の活動です。
大きなカンファレンスに参加するなら、行き先は東京になります。2026年11月27日〜28日には秋葉原のベルサール秋葉原で「BITCOIN JAPAN 2026」が開かれ、7月には港区でWebXが開かれています。年間の予定は暗号資産・Web3イベントカレンダー、東京の拠点やATMは東京ガイドとビットコインATMのページにまとめています。
札幌・北海道の仮想通貨:よくある質問
札幌にビットコインATMはありますか?
確認できた範囲では、札幌を含む北海道内に暗号資産ATMはありません。国内で稼働が確認できるのは東京・秋葉原と大阪の機械だけです。札幌から買う場合は、金融庁に登録された取引所にスマホで口座を開き、銀行振込や即時入金で日本円を入れる方法が現実的です。
北海道でビットコインのマイニングは行われていますか?
東京電力パワーグリッドの子会社アジャイルエナジーXが、宗谷地方の豊富町で天然ガスを使ったマイニングを2026年4月以降に始める計画を発表しています(北海道新聞、2025年6月報道)。ただし実際に稼働したかどうかは、公式発表で確認できていません。
北海道銀行から取引所に振り込めないのはなぜですか?
北海道銀行は、口座名義と異なる振込依頼人名で暗号資産交換業者へ送金する取引を制限しています。警察庁と金融庁が2024年2月に金融機関へ要請した詐欺対策の一環です。名義の前後に取引所指定の数字を付けるのは問題ありませんが、家族など別人の名前では振り込めません。
札幌に住んでいる場合、仮想通貨の確定申告はどこでしますか?
確定申告は住所地を管轄する税務署に行います。北海道の税務署を統括しているのは札幌国税局です。多くの人はe-Taxで自宅から申告でき、どの税務署が管轄かは国税庁のサイトで郵便番号から調べられます。
北海道で仮想通貨が使えるお店はありますか?
有志が登録する決済マップBTC Mapには、北海道の店舗は1件も載っていません。旅行者の場合、海外のBinance Payユーザーは全国のPayPay加盟店で支払える仕組みがありますが、日本の居住者は対象外です。
北海道の自治体で暗号資産やNFTを使った取り組みはありますか?
あります。余市町は2022年にワインをテーマにしたNFTアートをふるさと納税の返礼品にし、上士幌町も同じ時期にNFT返礼品を始めました。札幌の株式会社あるやうむは自治体向けNFT事業を手がけ、2024年には北海道銀行系のファンドから出資を受けています。





