仮想通貨の税金はいくら?雑所得と総合課税のしくみ
日本に住む個人が暗号資産(仮想通貨)で得た利益は、原則として雑所得給与・事業・不動産・譲渡などのどれにも当てはまらない所得の区分。暗号資産の売買益は原則ここに入る。に区分されます。国税庁が公表している「暗号資産等に関する税務上の取扱いについて(FAQ)」が示している考え方で、上場株式やFXのような約20%の別枠の税率は、いまのところありません。
雑所得は、給与所得などほかの所得と合計して税額を計算する総合課税複数の所得を合計した金額に累進税率をかける方式。所得が多いほど、高い税率がかかる部分が増える。の対象です。所得税は課税所得に応じて5%から45%までの7段階。これに住民税(所得割)の10%が加わり、さらに所得税額の2.1%にあたる復興特別所得税も上乗せされます。いちばん高い区分の合計は55.945%で、これが「仮想通貨の税金は最大55%」と言われる理由です。
ここで大事なのは、暗号資産の利益だけを見て税率が決まるわけではない、という点です。同じ100万円の利益でも、給与の課税所得が少ない人は15〜20%程度、高収入の人は40%を超える負担になります。住民税はほぼ一律10%なので、差を生むのは所得税の累進課税、つまり所得が増えた部分にだけ高い税率をかける仕組みです。
利益(所得)の計算式はシンプルで、「売却額などの収入 −取得価額(譲渡原価)売った暗号資産を手に入れるのにかかった金額。総平均法か移動平均法で1単位あたりの金額を出して計算する。− 売買手数料などの必要経費」です。国税庁FAQでは、取引に直接必要な部分を明確に区分できる場合に限り、通信費やパソコンの購入費の一部も必要経費にできるとしています。
税率表:課税所得ごとの税率と「控除額」の使い方
所得税は、国税庁の「所得税の速算表」で計算できます。課税所得(1,000円未満は切り捨て)に表の税率をかけ、右隣の控除額を引くだけです。国税庁自身が挙げている例では、課税所得700万円の所得税は「700万円×23% − 63万6,000円 = 97万4,000円」になります。
| 課税所得金額 | 所得税率 | 控除額 | 住民税・復興税を含む合計税率の目安 |
|---|---|---|---|
| 1,000円〜194万9,000円 | 5% | 0円 | 15.105% |
| 195万円〜329万9,000円 | 10% | 9万7,500円 | 20.21% |
| 330万円〜694万9,000円 | 20% | 42万7,500円 | 30.42% |
| 695万円〜899万9,000円 | 23% | 63万6,000円 | 33.483% |
| 900万円〜1,799万9,000円 | 33% | 153万6,000円 | 43.693% |
| 1,800万円〜3,999万9,000円 | 40% | 279万6,000円 | 50.84% |
| 4,000万円以上 | 45% | 479万6,000円 | 55.945% |
右端の合計税率は、その区分に入った部分にだけかかる「限界税率」です。課税所得が1,000万円の人でも、所得全体に43.693%がかかるわけではありません。暗号資産の利益は給与の上に積み上がるので、利益のうち「どの区分に入る部分がいくらあるか」で税額が決まります。
課税所得は、所得の合計から所得控除を引いた金額です。会社員なら、給与収入から給与所得控除を引いた「給与所得」に暗号資産の雑所得を足し、そこから社会保険料控除や基礎控除などを差し引きます。2026年分・2027年分の所得税の基礎控除は、本人の合計所得金額によって次のように変わります。
- 489万円以下
- 104万円
- 489万円超〜655万円以下
- 67万円
- 655万円超〜2,350万円以下
- 62万円
- 2,350万円超〜2,500万円以下
- 48万円 → 32万円 → 16万円と段階的に縮小
- 2,500万円超
- 0円
この金額は令和8年度の税制改正で引き上げられたもので、2026年12月1日に施行され、年末調整や確定申告で2026年分から適用されます(国税庁 No.1199)。暗号資産の利益で合計所得金額が増えると、基礎控除が小さくなって課税所得が利益以上に増えることがある点は、次の計算例で確認します。住民税の基礎控除は所得税とは別の金額です。
2027年分からは「防衛特別所得税」も
令和8年度の税制改正で、2027年分以後は復興特別所得税の税率が引き下げられ、新たに防衛特別所得税が加わります。国税庁によると両者を合わせた税率は変わらないため、このページの「所得税額×1.021」という計算は、2027年分以後も目安としてそのまま使えます。
計算例:年収500万円の会社員が100万円の利益を出したら?
実際の数字で計算してみます。前提は、2026年分、独身の会社員、給与収入500万円、社会保険料は年収の約15%として75万円、そのほかの所得控除はなし、という仮定です。社会保険料は加入している健康保険や年金によって変わるので、ご自身の源泉徴収票の金額に置き換えてください。
1. 給与所得を出す。2026年分の給与所得控除は、収入360万円超660万円以下なら「収入×20%+44万円」なので144万円。給与所得は500万円−144万円=356万円です。
2. 合計所得と基礎控除を確認する。暗号資産の利益100万円を足すと合計所得金額は456万円。489万円以下なので、基礎控除は104万円のままです。
3. 課税所得を出す。456万円−75万円−104万円=277万円。暗号資産の利益がなければ177万円でした。
4. 所得税を比べる。277万円×10%−9万7,500円=17万9,500円。利益がない場合は177万円×5%=8万8,500円なので、増えた所得税は9万1,000円、復興特別所得税を含めると約9万2,900円です。利益100万円のうち18万円は5%の区分、残りの82万円は10%の区分に入った計算になります。
5. 住民税を足す。住民税は利益のおよそ10%で約10万円。合計の税負担は約19万3,000円、利益に対する負担率は約19.3%です。
ところが、この人の利益が150万円になると話が変わります。合計所得金額が506万円になって489万円の線を越え、基礎控除が104万円から67万円に下がるためです。課税所得は364万円となって20%の区分に入り、税負担は約36万6,000円(負担率約24.4%)に跳ね上がります。利益が50万円増えただけで、税金は17万円以上増える計算です。2026年分・2027年分の基礎控除の段差による現象なので、利益の確定時期を考えるときは合計所得金額の位置も確認しておきましょう。
ほかのケースも、所得控除の額は変わらないものとして概算しておきます。
- 課税所得100万円+利益50万円:すべて5%の区分に収まり、所得税等が約2万5,500円、住民税が5万円で、合計約7万6,000円(約15.1%)。
- 課税所得700万円+利益300万円:23%と33%の区分にまたがり、所得税等が約80万7,000円、住民税が30万円で、合計約110万7,000円(約36.9%)。
- 課税所得1,500万円+利益3,000万円:大半が40%と45%の区分に入り、所得税等が約1,229万円、住民税が300万円で、合計約1,529万円(約51.0%)。合計所得金額が2,500万円を超えるので、実際には基礎控除がなくなる分だけさらに増えます。
下のシミュレーターに、暗号資産以外の課税所得と暗号資産の利益を入れると、現行制度での税額の目安と、改正後の分離課税(20.315%)だった場合の税額を並べて表示します。初期値は上の会社員の例(課税所得177万円+利益100万円)です。
↑ この計算ツールはページ上部にあります。数字を入れて試してみてください。
利益が大きい年に一度にすべて売ると、高い税率の区分まで所得が積み上がります。値動きのリスクとの兼ね合いになりますが、年をまたいで売却を分けると、各年の所得が低い区分に収まって合計の税額が小さくなる場合があります。売却の手順や出金のタイミングは日本円に換金する方法で詳しく解説しています。
いつ課税される?売却・交換・買い物・ステーキングの扱い
「日本円に戻していないから、まだ税金はかからない」と考えるのは危険です。国税庁FAQは、暗号資産を手放して何かを受け取る取引を、原則としてすべて譲渡として扱っています。主な取引の扱いを表にまとめました。
| 取引 | 課税のタイミング | 所得の計算方法 | 国税庁FAQ |
|---|---|---|---|
| 日本円で売却 | 売却したとき | 売却額 −(1単位あたりの取得価額 × 売った数量)− 手数料 | 1-1 |
| 暗号資産同士の交換 | 交換したとき | 受け取った暗号資産の時価 − 手放した暗号資産の取得価額 | 1-3 |
| 暗号資産で商品を購入 | 支払ったとき | 商品の価額 − 支払った暗号資産の取得価額 | 1-2 |
| ステーキング・レンディング・マイニングの報酬 | 受け取ったとき | 受取時の時価が収入。報酬を得るための費用は必要経費 | 1-7 |
| ハードフォーク(分裂)で得た新しいコイン | 受け取った時点では課税なし | 取得価額は0円。売却・使用したときに所得が生じる | 1-6 |
| 個人や法人への贈与・寄附 | 渡したとき | 渡した時点の時価を収入に計上(受け取った側は贈与税などの対象) | 1-4 |
| 買って持っているだけ・自分の口座間の移動 | 課税なし | — | — |
見落としやすいのが暗号資産同士の交換です。たとえばビットコインでイーサリアムを買うと、その時点でビットコインを売ったのと同じ扱いになり、含み益が確定します。受け取ったイーサリアムの取得価額は、そのときの時価です。何度も乗り換えをしていると、日本円に一度も戻していないのに大きな所得が発生していることがあります。
暗号資産での支払いも同じです。店舗やネットでの決済に使った分は、商品の価額で売却したものとして計算します。暗号資産で支払うデビットカードなども、使うたびに小さな売却が積み重なります。詳しくは仮想通貨が使える店と仮想通貨カードのページで、税金の注意点とあわせて紹介しています。
ステーキング特定の暗号資産を保有・預け入れてブロックチェーンの運営に参加し、報酬として暗号資産を受け取る仕組み。やレンディング、マイニングの報酬は、受け取った時点の時価が所得になります(FAQ 1-7)。報酬として受け取ったコインの取得価額もその時価になるので、後で売ったときは、受け取ったときからの値上がり分だけが新たな所得です。取引所のキャンペーンなどで無償で受け取った暗号資産も、年間取引報告書では受け取ったときの時価が収入として記載されます。
エアドロップについては、国税庁FAQに直接の項目がありません。取引相場のあるトークンを受け取った場合は、報酬と同じように受取時の時価で所得とする考え方があります。一方、受け取った時点で値がつかないものは、分裂(FAQ 1-6)に近い扱いも考えられ、個別の判断になりやすい分野です。金額が大きい場合は税理士に確認しておくと安心です。
取得価額の計算:総平均法と移動平均法の違い
同じ銘柄を何回にも分けて買っていると、「売った分がいくらで買ったものか」を決める必要があります。個人の場合、その方法は総平均法1年間に取得した同じ銘柄の取得価額の合計(前年からの繰越分を含む)を数量で割り、年末の1単位あたりの取得価額とする方法。か移動平均法同じ銘柄を買うたびに、その時点の保有分の平均単価を計算し直す方法。年の途中の売却にも、その時点の平均単価を使う。のどちらかで、銘柄ごとに選びます。
総平均法
1年間に買った同じ銘柄の取得価額の合計(前年からの繰越分を含む)を、合計数量で割って単価を出します。計算は年に1回で済み、国税庁の「暗号資産の計算書(総平均法用)」にも対応しています。届出をしなかった場合は、自動的にこちらになります。
移動平均法
買うたびに平均単価を計算し直します。年の途中の売却も、その時点の単価で計算するので実態に近い反面、取引が多いと手計算は大変です。選ぶには税務署への届出が必要で、損益計算ツールを使う人向けの方法です。
どちらを選ぶかで年ごとの所得は変わります。国税庁FAQの例(同じ年に3回購入し2回売却したケース)では、譲渡原価は総平均法で310万6,000円、移動平均法で308万200円となり、2万5,800円の差が出ています。ただし、どちらかが常に有利というわけではなく、長い目で見ると差は調整されていきます。
手続きの注意点は3つです。まず、初めて暗号資産を取得した年(新しい銘柄を取得した年も同様)の確定申告期限までに「所得税の暗号資産の評価方法の届出書」を出せば、移動平均法を選べます。出さなければ総平均法です。次に、方法を変えたいときは、変更したい年の3月15日までに「変更承認申請書」を出して承認を受ける必要があり、原則として3年は同じ方法を続けることが求められます。最後に、取得価額には購入時の手数料も含めます(FAQ 1-5)。
古い取引で取得価額がどうしても分からない場合、国税庁FAQは売却額の5%を取得価額とすることを認めています(FAQ 2-7)。ただし、これは売却額の95%が所得になる計算です。銀行口座の入出金記録や取引所の過去の相場から、できるだけ実際の金額を確認するほうが、多くの場合は有利になります。
「20万円以下なら申告不要」の本当の意味
よく知られた「20万円ルール」は、税金が免除される制度ではありません。国税庁のタックスアンサー(No.1900)によると、給与を1か所から受け取り、その全額が源泉徴収されている人は、給与所得と退職所得以外の所得の合計が20万円以下なら、所得税の確定申告をしなくてよいという扱いです。年間の給与収入が2,000万円を超える人は、この特例に関係なく確定申告が必要です。
注意したい点がいくつかあります。1つめに、20万円は売却額ではなく利益(所得)で判定します。2つめに、暗号資産だけでなく、副業の雑所得など給与以外の所得をすべて合計した金額です。3つめに、これは会社員などの給与所得者向けの特例で、自営業者や年金で暮らす人には別の基準があります。
住民税の申告は別に必要
20万円ルールは所得税だけの話です。住民税には同じ特例がないため、所得税の確定申告をしない場合は、お住まいの市区町村に住民税の申告をする必要があります。たとえば利益が15万円なら、住民税(10%)は約1万5,000円です。また、医療費控除やふるさと納税(ワンストップ特例を使わない場合)、住宅ローン控除の初年度などで確定申告をするときは、20万円以下の暗号資産の所得も含めて申告します。
確定申告をすると、その内容は市区町村に共有されるため、別に住民税の申告をする必要はありません。会社員の場合、確定申告書の第二表にある住民税の欄で、給与以外の所得にかかる住民税を「自分で納付」とするか、給与から差し引く「特別徴収」とするかを選べます。
損失は繰り越せる?赤字の扱いと損益通算
現行制度でいちばん厳しいのが損失の扱いです。国税庁FAQ 2-11によると、雑所得の計算で生じた損失は、給与所得などほかの所得から差し引くこと(損益通算ある所得の赤字を、ほかの種類の所得の黒字と相殺すること。所得税法では不動産・事業・山林・譲渡所得の赤字に限られる。)ができません。株式やFXのように、翌年以降へ損失を繰り越す仕組みもありません。
一方で、同じ年の暗号資産の中であれば損益を相殺できます。ビットコインで50万円の利益、イーサリアムで30万円の損失なら、その年の暗号資産の所得は20万円です。年末が近づいたら、含み損を抱えた銘柄と確定した利益のバランスを確認しておくと、無駄な税負担を避けられることがあります。ただし、税金だけを理由にした売買は相場の動きで逆効果になることもあるので注意してください。
暗号資産の証拠金取引(レバレッジ取引)も、FXのような申告分離課税の対象外で、現物と同じく総合課税です(FAQ 2-12)。証拠金取引の損益は、取引所の年間取引報告書の「損益合計」欄で確認できます。
損失を3年間繰り越せるようにする改正は法律で決まっていますが、対象は改正の適用が始まった後の取引で、開始は早くても2028年と見込まれます。2026年や2027年に出た損失を、改正後に持ち越すことはできない仕組みです。詳しくは分離課税20%はいつから始まるかを解説したページをご覧ください。
事業所得になるのはどんな場合?
2025年12月に更新された国税庁FAQ 2-2では、所得区分の目安が次のように示されています。その年の暗号資産取引にかかる収入金額が300万円を超える場合、帳簿書類を保存していれば原則として事業所得、保存していなければ原則として「業務に係る雑所得」になります。300万円以下なら、原則どおり雑所得(その他雑所得)です。
ここでいう収入金額は利益ではなく、売却代金などの収入の合計です。頻繁に売買する人なら、利益が小さくても300万円を超えることは珍しくありません。ただしFAQは、帳簿があっても営利性が認められない場合などは個別に判断するとしており、自動的に事業所得になるわけではありません。
事業所得と認められると、赤字をほかの所得と損益通算できる可能性があります(FAQ 2-11は、損益通算できる所得として事業所得を挙げています)。その代わり、帳簿の作成・保存などの義務も増えます。取引量が多い人や、暗号資産で生計を立てている人は、早めに税理士に相談して区分と記帳の方法を決めておくのがおすすめです。
確定申告の期限とe-Taxでの手順
確定申告の期間は、原則として翌年の2月16日から3月15日までです。期限が土日祝日にあたるときは翌平日になり、2025年分は3月15日が日曜日だったため、2026年3月16日(月)が期限でした。2026年分は、通常の日程どおりなら2027年2月16日から3月15日(月)までです。正式な日程は国税庁の発表で確認してください。所得税の納付期限も、原則として申告期限と同じ日です。
1年分の取引データを集める
国内の登録取引所は、年明けに年間取引報告書国税庁の要請で暗号資産交換業者が交付する書類。年間の購入・売却の数量と金額、手数料などが記載される。を交付します。海外取引所やウォレットは、取引履歴のCSVを自分でダウンロードします。
銘柄ごとに損益を計算する
国税庁の「暗号資産の計算書」(Excel)か損益計算ツールで、総平均法または移動平均法の譲渡原価と所得を出します。
申告書を作成する
国税庁の「確定申告書等作成コーナー」で、源泉徴収票の内容と、暗号資産の所得を雑所得として入力します。
e-Taxで提出する
マイナンバーカードを使えば、スマートフォンやパソコンからそのまま送信できます。印刷して税務署に郵送・持参することもできます。
期限までに納付する
所得税は申告期限までに納付します。住民税は申告内容をもとに、後日市区町村から通知されます。
期限を過ぎてから申告すると、本来の税額に加えて無申告加算税や延滞税がかかる場合があります。計算が間に合わないときでも、期限内にいったん申告し、あとで修正申告や更正の請求で直すほうが負担は小さくなります。作成コーナーは国税庁の確定申告書等作成コーナーから利用できます。
損益計算ツールと取引記録の残し方

国内の金融庁登録の取引所だけで売買しているなら、年間取引報告書の数字を国税庁の暗号資産の計算書に転記すれば、無料で所得を計算できます。報告書には、年始と年末の保有数量、年間の購入・売却の数量と金額、ほかの口座への移出入の数量、手数料などが載っています。外貨で売買した分は、取引時の電信売買相場の仲値(TTM)で円に換算した金額で記載されます。
複数の取引所を使っている、取引所とウォレットの間で頻繁に送金している、DeFiやNFTを使っている、といった場合は、手計算では追いつきません。国内で広く使われている損益計算サービスの一つが「クリプタクト」です。運営会社のpafinは、同業の「Gtax」をクリプタクトへ2026年10月5日に統合すると発表しており、Gtaxの利用者は再登録なしで移行できるとしています。海外製のツールを使う場合は、日本の総平均法・移動平均法に対応しているかを必ず確認してください。
見落としがちなのが記録の保存です。取引所が日本から撤退したりサービスを終えたりすると、過去の履歴を取り出せなくなることがあります。実際に、海外取引所の撤退は近年相次いでいます(海外取引所の撤退・警告まとめ)。毎年、年間取引報告書とCSVの取引履歴を保存し、自分のウォレットへの送金記録も残しておきましょう。
取引所から「居住地国の届出」を求められたら
2026年1月1日から、国内の暗号資産交換業者などと取引する人は、氏名・住所・居住地国(外国が居住地国なら外国の納税者番号)を記載した届出書を提出する必要があります。OECDのCARF暗号資産等報告枠組み。各国の税務当局が、自国の取引所から非居住者の取引情報を集めて、その人の居住地国と自動的に交換する国際的な仕組み。にもとづく制度で、新しく口座を開く人は取引を始める時点で、2025年12月31日時点で取引していた人は2026年12月31日までに届出をします。
日本に住んでいる人は、居住地国を「日本」と書けば足ります。国税庁の案内によると、この届出書にマイナンバーの記載は必要ありません。取引所は2027年以後、毎年4月30日までに、特定の非居住者の取引情報を税務署に報告し、その情報は租税条約にもとづいて各国の税務当局と交換されます。逆に、日本の居住者が海外の取引所で取引すれば、その情報が日本に届く仕組みでもあります。
届出の後に海外へ引っ越すなど居住地国が変わったときは、変わった日から3か月以内に異動の届出が必要です。CARFを含む規制全体の流れは、日本の暗号資産規制のページで整理しています。
無料で相談できる窓口:税務署・電話相談・税理士会
一般的な疑問なら、まず国税庁サイトのチャットボット「ふたば」やタックスアンサーで調べられます。チャットボットは土日や夜間も使えます。
電話で聞きたいときは、国税局の「電話相談センター」に相談できます。国税相談専用ダイヤル(0570-00-5901)にかけ、音声ガイダンスで「1」(所得税)を選びます。受付は平日8時30分〜17時です。ナビダイヤルが使えないIP電話からは、所轄の税務署の代表番号にかけて「1」を選ぶと同じ窓口につながります。
書類を見ながら具体的に確認したい場合は、所轄の税務署で面接相談ができます。国税庁によると面接相談は事前予約制なので、税務署に電話して日時を予約してから出かけましょう。なお、住民税の質問はお住まいの市区町村が窓口です。
税理士に聞きたいけれど費用が心配、という場合は、各地の税理士会が実施している無料の税務相談会を探す方法があります。開催日や対象者の条件は会によって異なるので、日本税理士会連合会のサイトからお住まいの地域の税理士会を確認してください。DeFiやNFT、海外取引所の大量の履歴、事業所得の判定など、個別性の高い問題は、暗号資産に詳しい税理士に有料で依頼するのが確実です。
2028年以降はどうなる?分離課税20%への改正
2026年3月に公布された改正税法で、金融商品取引法(金商法)の登録業者が扱う「特定暗号資産」を登録業者を通じて売った利益は、将来、所得税15%と住民税5%(復興特別所得税を含めて20.315%)の申告分離課税ほかの所得と合算せず、その所得だけに一律の税率をかけて計算する方式。上場株式の譲渡益と同じ考え方。になることが決まりました。損失の3年間の繰越控除も導入されます。
ただし、適用が始まるのは改正金商法の施行日の属する年の翌年1月1日からで、早くても2028年と見込まれます。2026年分と2027年分は、このページで説明した総合課税(最大約55%)のままです。いつから何が変わるのか、どの暗号資産が対象になるのか、いま売るか待つかの考え方は、仮想通貨の分離課税はいつから?で詳しく解説しています。
仮想通貨の税金:よくある質問
仮想通貨の利益が20万円以下なら税金はかからないのですか?
かからないわけではありません。給与を1か所から受け取る会社員などで、給与以外の所得が年20万円以下なら「所得税の確定申告」が不要になるだけです。住民税(約10%)は別で、お住まいの市区町村への申告が必要です。医療費控除などで確定申告をする場合は、その20万円以下の利益も含めて申告します。
仮想通貨の税金は何%ですか?
利益は給与などと合算され、課税所得に応じて所得税5〜45%と住民税10%がかかります。復興特別所得税(所得税額の2.1%)を含めると、区分ごとの合計税率は15.105%から最高55.945%です。同じ100万円の利益でも、給与が多い人ほど税率が高くなります。
買って持っているだけでも税金はかかりますか?
個人の場合、購入して保有しているだけでは課税されません。ただし売却だけでなく、ほかの暗号資産との交換、暗号資産での支払い、ステーキングなどの報酬の受け取りは課税のタイミングになります。なお法人は、活発な市場がある暗号資産を期末に時価評価するルールがあり、個人とは扱いが異なります。
損失が出た年はどうなりますか?
現行制度では、暗号資産の損失(雑所得の赤字)を給与など他の所得と相殺することはできず、翌年以降に繰り越すこともできません。同じ年の別の暗号資産の利益とは相殺できます。改正後の分離課税では、一定の要件のもとで3年間の繰越控除が認められる予定です。
確定申告の期限はいつですか?
原則として翌年の2月16日から3月15日までで、期限が土日祝日にあたるときは翌平日になります。2025年分は3月15日が日曜日だったため、2026年3月16日が期限でした。2026年分は、通常どおりなら2027年3月15日(月)が期限です。
海外の取引所やウォレットでの取引も申告が必要ですか?
必要です。日本の居住者は、国内外どこで得た所得も課税対象になります。海外取引所やウォレットでは年間取引報告書が出ないことが多いため、取引履歴と取引所の公表レートなどを使って自分で計算します。外貨建ての取引は、取引時の電信売買相場の仲値(TTM)で円に換算するのが基本です。
このページは一般的な情報提供を目的としたもので、個別の税務アドバイスではありません。実際の申告内容は、所轄の税務署または税理士にご確認ください。用語の意味は暗号資産用語集でも確認できます。





