bitbank(ビットバンク)は2014年に設立され、2017年9月に暗号資産交換業者として登録された老舗の取引所です。最大の特徴は、取り扱う44銘柄すべてが日本円建ての板で売買できること。多くの国内取引所では、アルトコインは販売所でしか買えず、知らないうちにスプレッドを払っています。bitbankはその前提を変えられる数少ない選択肢です。
同社は「国内アルトコイン取引量No.1」(JVCEAの公表データにもとづく2025年5月〜2026年4月の自社集計)をうたい、App Storeの評価は4.52(約5万7,000件)と国内取引所の中でも高水準です。そして2026年10月1日、SBIホールディングスの完全子会社になりました。このレビューでは、公式の手数料ページと入出金ガイドの数字をもとに、実際のコストと使い方のコツ、グループ再編の意味をまとめます。
bitbankの基本データ
金融庁の暗号資産交換業者登録一覧と公式サイトの情報で照合した事実です。
- 運営会社
- ビットバンク株式会社(2014年5月設立、2026年10月1日からSBIホールディングスの完全子会社)
- 金融庁登録
- 暗号資産交換業者 関東財務局長 第00004号(2017年9月29日登録)
- 所在地
- 東京都中央区八重洲2-2-1 東京ミッドタウン八重洲 八重洲セントラルタワー10F
- 取扱銘柄
- 44銘柄(すべて日本円建てで取引所に上場)
- 取引の形式
- 取引所(板取引)、販売所、信用取引(最大2倍、BTC・XRP・ETH・DOGE・SOL)
- 取引所手数料
- BTC/JPY:メイカー0.00%/テイカー0.10%、その他:メイカー−0.02%/テイカー0.12%
- 販売所
- スプレッドあり(幅は非公表)
- 最小注文
- 取引所で各銘柄0.0001単位から
- 日本円の入金
- GMOあおぞらネット銀行・ドコモSMTBネット銀行の口座への振込のみ(入金番号で即時反映、振込手数料は自己負担)
- 日本円の出金
- 3万円未満550円、3万円以上770円(24時間365日即時出金)
- BTCの送金
- 0.0006 BTC
- 主なサービス
- ETHステーキング、貸して増やす(年率0.1〜5.0%)、定期購入、エポスカードとの提携クレカ
- アプリ評価
- App Store 4.52(約5万7,000件)
- 口座開設
- ICチップ読み取りの本人確認で最短1分の即時承認(同社公表)
メリット
- 取り扱う44銘柄すべてを日本円建ての板で売買できる
- BTC以外のペアはメイカー手数料が−0.02%で、注文が成立すると手数料を受け取れる
- BTC/JPYはメイカー0.00%、テイカー0.10%
- 取引所の最小注文は0.0001単位で、数百円〜千円台から板取引を試せる
- 入金番号を付けた振込なら即時に反映、出金は24時間365日即時
- App Storeの評価が4.52と高く、ICチップの本人確認なら最短1分で承認
注意点
- 日本円の入金は2つのネット銀行宛ての振込だけで、コンビニ・ペイジー・カードは不可
- 振込手数料は自己負担で、bitbank側で無料にする仕組みはない
- 日本円の出金は550円〜770円かかる
- ビットコインの外部送金は1回0.0006 BTCと重め
- 販売所のスプレッドは公表されていない
- NFTやIEOのサービスはない
bitbankが向いている人・向いていない人
bitbankが真価を発揮するのは、アルトコインを板取引で売買したい人です。たとえばXRPやソラナ(SOL)、ドージコインを販売所で買えば、表示されないスプレッドが毎回かかります。bitbankなら同じ銘柄を板で、自分の決めた価格で買えます。日本でXRPの人気が高いことはJVCEAの統計にも表れていて、2026年8月の国内現物取引高の13.4%をXRPが占めました。こうした銘柄を頻繁に売買する人ほど、板で取引できる利点は大きくなります。
もうひとつは、指値で待つのが苦にならない人です。板に注文を置いて相手を待つメイカー注文なら、BTC以外のペアで手数料が−0.02%、つまり取引額の0.02%を受け取れます。急いで買う必要がない積立感覚の購入でも、少しだけ有利になります。
一方で、現金やコンビニで入金したい人、銀行振込に慣れていない人には向きません。入金は銀行振込だけで、振込先もGMOあおぞらネット銀行かドコモSMTBネット銀行のbitbank口座です。また、アプリでボタンを押すだけの手軽さを重視するなら、販売所中心のコインチェックやbitFlyerのほうが入りやすいでしょう。
bitbankの手数料:メイカーなら「もらえる」の実際
bitbankの売買手数料は、板取引板に並んだ買い注文と売り注文を突き合わせて売買する市場形式。取引所とも呼ぶ。価格と数量を自分で指定できる。での注文の出し方で決まります。板に新しい指値注文を置いて待つメイカー板に指値注文を置き、相手が来るのを待つ側。市場に流動性を提供するため、手数料が優遇されたりマイナスになったりする。と、すでに板にある注文と即座に約定するテイカー板にある既存の注文とすぐに約定させる側。成行注文や、すぐ約定する価格の指値注文が該当する。で料率が違います。
| 項目 | 手数料 | 補足 |
|---|---|---|
| BTC/JPYの取引 | メイカー0.00%/テイカー0.10% | 10万円なら0円/100円 |
| その他のペア | メイカー−0.02%/テイカー0.12% | 10万円なら20円を受け取り/120円を支払い |
| 販売所 | 手数料なし | スプレッドあり(非公表) |
| 日本円の入金 | 無料(振込手数料は自己負担) | GMOあおぞらネット銀行・ドコモSMTBネット銀行の口座宛て |
| 日本円の出金 | 550円/770円 | 3万円未満/3万円以上 |
| ビットコインの送金 | 0.0006 BTC | 1BTC=1,200万円なら約7,200円 |
10万円分のXRPを売買した場合
10万円分のXRPを成行(テイカー)で買うと、手数料は0.12%で120円です。そのXRPを指値(メイカー)で売れば、手数料は−0.02%なので逆に20円を受け取れます。売買の差し引きは100円です。両方ともメイカーで約定させれば、往復で40円を受け取る計算になります。
これに出金の770円と、振込元の銀行手数料を足します。振込手数料が無料のネット銀行から入金した場合、往復のコストは約870円、10万円に対して1%弱です。もし同じXRPを販売所で買って売るなら、スプレッドが片道1%でも往復で約2,000円になります。差は売買を繰り返すほど開いていきます。
メイカーで約定させるコツ
買うときは現在の売り注文の最安値より少し安い価格で、売るときは買い注文の最高値より少し高い価格で指値を出すと、メイカーとして板に並びます。約定までに時間がかかることがあるので、急ぐときはテイカー、急がないときはメイカーと使い分けましょう。
板取引の最小注文は0.0001単位です。ビットコインなら0.0001 BTC、1BTC=1,200万円で約1,200円から注文できます。bitFlyerの取引所の最小注文0.001 BTCの10分の1なので、少額でも販売所を使わずに済むのは大きな利点です。他社と並べた往復コストは手数料比較ページで確認できます。
入金と出金:銀行振込に一本化された仕組み
bitbankの日本円入金は、銀行振込だけです。振込先はGMOあおぞらネット銀行かドコモSMTBネット銀行(旧住信SBIネット銀行)のbitbank口座で、マイページに表示される9桁の入金番号を振込名義の前に付けると、すぐに残高へ反映されます。入金番号を付け忘れると反映が遅れることがあるので注意してください。
bitbank側の入金手数料はかかりませんが、振込手数料は自分で負担します。同じ銀行どうしの振込や、月に数回まで無料になるネット銀行を使えば、実質0円にできます。コンビニ入金、ペイジー、クレジットカードには対応していないので、銀行口座からの振込に慣れていない人は少し戸惑うかもしれません。入金手段の選び方は入金・購入方法まとめで比較しています。
出金は3万円未満550円、3万円以上770円で、24時間365日の即時出金に対応しています。金額の大小で手数料の差は220円なので、出金はある程度まとめて行うのが合理的です。売却から出金、税金のタイミングまでは日本円に換金する方法で詳しく解説しています。
暗号資産の送金手数料は、ビットコインで0.0006 BTCです。国内の主要取引所の中では高めなので、自分のウォレットに移すときは回数を減らしましょう。送金時はトラベルルール暗号資産の送金時に、送り手と受け手の氏名などを事業者間で通知するルール。日本では2023年6月から適用されている。にもとづき、送金先の情報を申告する必要があります。
取扱銘柄とサービス:アルトコインの品揃え

取扱銘柄は44種類で、すべてが日本円建てのペアとして取引所に上場しています。ビットコイン、イーサリアム、XRP、ソラナ、ドージコインといった主要銘柄から、ゲームやWeb3関連の銘柄まで揃います。銘柄の入れ替えもあり、2026年10月9日にはエンジンコイン(ENJ)の取り扱い終了が告知されました。保有している銘柄の上場廃止のお知らせは見逃さないようにしましょう。
運用サービスとしては、イーサリアムのステーキングブロックチェーンの運営に参加することで報酬を得る仕組み。取引所が代行し、報酬の一部を手数料として差し引いて利用者に配分する。があり、報酬のうち30%をbitbankが受け取り、残りが利用者に配分されます。保有する暗号資産を貸し出す「貸して増やす」は年率0.1〜5.0%です。どちらの報酬も受け取った時点で雑所得になります。
販売所の銘柄は「定期購入」で毎日・毎月などの頻度を選んで自動で買えます。最低金額は今回の調査では確認できませんでした。信用取引は最大2倍で、対象はBTC・XRP・ETH・DOGE・SOLの5銘柄です。
2026年4月27日には、丸井グループのエポスカードと組んだVisaのクレジットカード「EPOS CRYPTO Card for bitbank」が始まりました。年会費は永年無料で、利用額の0.5%がBTC・ETH・ASTRのいずれかで還元され、毎月の請求をbitbank口座のビットコインで支払うこともできます。詳しくは日本で使える仮想通貨カードで比較しています。NFTやIEOのサービスは提供していません。
安全性とSBIグループ入りで変わること
bitbankはアプリの説明で、顧客の資産をインターネットから切り離したコールドウォレットオンラインに接続しない環境で秘密鍵を保管するウォレット。外部からの不正アクセスによる流出リスクを抑えられる。で管理し、送金の承認に複数の鍵を必要とするマルチシグでハッキングや内部不正に備えていると説明しています。登録後すぐに二段階認証を設定するよう案内している点も、基本に忠実です。
そして2026年の最大の出来事が、SBIグループ入りです。SBIホールディングスは2026年6月に完全子会社化の基本合意と株式譲渡契約を公表し、10月1日、bitbankが株式会社MIXIと株式会社セレスから自己株式を取得する形で取引が完了しました。取引額は約467億円と報じられています。
- 2014年5月ビットバンク株式会社設立
- 2017年9月29日暗号資産交換業者として登録 関東財務局長 第00004号
- 2026年4月27日EPOS CRYPTO Card for bitbank開始 請求をビットコインで支払い可能
- 2026年6月25日SBIが完全子会社化を公表 基本合意と株式譲渡契約
- 2026年10月1日SBIホールディングスの完全子会社に
- 今後グループ内の役割分担 サービスの変更があれば公式に告知される見込み
SBIグループには、すでにSBI VCトレードがあります。DMM Bitcoinの口座を2025年3月に引き継ぎ、2026年4月にはBITPOINTを吸収合併しました。bitbankとあわせたグループの口座数は約292万、預かり資産は約1.1兆円(2026年4月末)にのぼります。BITPOINTの例では、合併後にブランドの統合と口座の移行が段階的に進められています。ただしbitbankについては、今回確認した公式発表に、サービスや手数料、口座の扱いを変える内容は含まれていません。会社名、登録番号、アプリはこれまでどおりです。
利用者として備えておきたいのは、bitbankからのお知らせメールを受け取れる状態にしておくこと、そして登録メールアドレスや住所を最新にしておくことです。統合の動きが出た場合、手続きの期限が設けられることがあります。グループ全体の再編の流れはレビュー一覧の業界再編のまとめでも整理しています。
bitbankの口座開設から購入まで
口座開設はスマホで完結します。マイナンバーカードなどICチップ付きの本人確認書類を読み取る「サクッと本人確認」なら、同社によれば最短1分で承認されます。
- メールアドレスと携帯電話番号
- ICチップ付きの本人確認書類(マイナンバーカード、運転免許証、外国籍の方は在留カード)
- 本人名義の銀行口座(入金はこの口座からの振込のみ)
- 二段階認証用の認証アプリ
ICチップの読み取りに対応していない書類や端末の場合は、郵送での本人確認を選ぶことになり、時間がかかります。口座ができたら、入金番号を付けて振り込み、取引所の画面で指値注文を出すのが基本の流れです。注文の出し方から順を追って知りたい人は、ビットコインの買い方ガイドをご覧ください。利益が出たあとの申告は仮想通貨の税金と確定申告で解説しています。
bitbankと組み合わせたい取引所
bitbankの弱点は、入金手段が銀行振込に限られることと、出金・送金の手数料です。板取引のメインはbitbankにして、入出金に強い会社を組み合わせる使い方もあります。
入出金を無料にしたいなら
SBI VCトレードは日本円の出金も暗号資産の送金も無料。同じSBIグループで、メイカー−0.01%の取引所もあります。
GMOコインはゆうちょ銀行やPayPay銀行からの即時入金が無料で、出金も1万円以上なら無料です。
銘柄数を最優先するなら
Binance Japanは66銘柄と国内最多で、PayPayマネーでの入金にも対応。ただし取引所の手数料は0.10%です。
主要銘柄の板取引を手数料0%で済ませたいならコインチェックも候補になります。
金融庁に登録されたすべての業者は取引所一覧で確認できます。
bitbankについてよくある質問
bitbankの手数料はいくらですか?
取引所(板取引)の手数料は、BTC/JPYがメイカー0.00%・テイカー0.10%、そのほかのペアはメイカー−0.02%・テイカー0.12%です。マイナスは手数料を払うのではなく受け取れることを意味します。日本円の出金は3万円未満550円、3万円以上770円、入金はbitbank側の手数料はなく振込手数料のみ自己負担です。
bitbankは何円から買えますか?
取引所では各銘柄0.0001単位から注文できます。ビットコインなら0.0001 BTCで、1BTC=1,200万円なら約1,200円です。XRPのように単価の低い銘柄なら、数百円から試すこともできます。
bitbankはSBIに買収されて何が変わりますか?
bitbankは2026年10月1日にSBIホールディングスの完全子会社になりました。会社名、登録番号、サービスはbitbankのままで、口座や手数料の変更は今回確認した公式発表には含まれていません。今後サービス統合などがあれば公式のお知らせが出るので、メール通知を確認しておきましょう。
bitbankでコンビニ入金やクレジットカード入金はできますか?
できません。日本円の入金は、GMOあおぞらネット銀行またはドコモSMTBネット銀行のbitbank口座への銀行振込だけです。9桁の入金番号を付けて振り込めば即時に反映されます。振込手数料は利用者の負担です。
bitbankでステーキングはできますか?
イーサリアム(ETH)のステーキングに対応しており、報酬の30%をbitbankが受け取り、残りが利用者に配分されます。保有する暗号資産を貸し出して年率0.1〜5.0%の貸借料を受け取る貸して増やすサービスもあります。
外国籍でもbitbankの口座を開設できますか?
日本に住んでいれば可能です。公式の本人確認ページでは、スマホで完結する「サクッと本人確認」に外国籍の方は在留カードを使えると案内されています。日本に住所のない個人の口座開設は受け付けていません。





