日本で仮想通貨は合法?まず結論から
結論から言うと、日本で暗号資産を買うことも、持つことも、売ることも合法です。日本円のような法定通貨ではありませんが、資金決済法で「暗号資産」として定義され、売買や保管のルールが法律で決められています。2017年4月に交換業の登録制が始まって以来、日本は暗号資産を「禁止する国」ではなく「業者を登録させて管理する国」という道を選んできました。
ルールの主な対象は、利用者ではなく事業者です。日本の居住者に暗号資産の売買や交換、預かりのサービスを提供するには暗号資産交換業者資金決済法にもとづいて内閣総理大臣(実務は金融庁・財務局)の登録を受けた、暗号資産の売買・交換・管理を業として行う事業者。としての登録が必要で、2026年9月30日時点の登録業者は27社です。利用者にとっての基本は、この27社のいずれかで口座を開くことです。
そして2026年7月15日、暗号資産を資金決済法から金融商品取引法(金商法)へ移す改正法が成立しました。株式に近いインサイダー取引規制や情報開示が加わり、税金も将来は約20%の分離課税に変わる予定です。ただし金融庁は、この改正が暗号資産への投資を推奨するものではないと明言しています。規制が整うことと、価格変動のリスクが小さくなることは別の話です。
日本の暗号資産規制はどう作られてきたか
日本のルールは、大きな事件が起きるたびに一段ずつ厚くなってきました。出発点は東京に拠点を置いていた取引所マウントゴックス(Mt.Gox)の破綻です。2014年2月に民事再生を申し立て、同年4月に破産手続きが始まりました。当時、日本には交換業者を監督する法律がなく、利用者を守る仕組みもありませんでした。その後2018年に民事再生手続きへ移り、債権者への返済はいまも続いています。管財人は2026年10月、返済期限を2027年10月31日まで1年延長すると発表しました。
この反省から2017年4月に改正資金決済法が施行され、交換業は登録制になりました。ところが翌2018年1月、コインチェックから当時の価格で約580億円相当のNEM(XEM)が流出します。ネットに常時つながったホットウォレットで大量の顧客資産を管理していたことが問題視され、業界全体に業務改善が求められました。コインチェックはマネックスグループの傘下に入り、2019年1月に改めて登録を受けています。
2020年5月の改正では「仮想通貨」の法律上の呼び名が「暗号資産」に変わり、個人の証拠金取引は2倍までに制限されました。相場操縦や風説の流布といった不公正な取引も、金商法で禁止されています。2024年5月にはDMM Bitcoinから約482億円相当のビットコインが流出し、警察庁は北朝鮮系のハッカー集団「TraderTraitor」の関与を公表しました。DMM Bitcoinは廃業し、口座と顧客資産は2025年3月にSBI VCトレードへ移されています。この攻撃はシステムの委託先を経由したとされ、改正金商法では重要なシステム委託先に事前の届出を求める規定が設けられました。
- 2014年2月マウントゴックスが民事再生を申し立て 同年4月に破産手続き開始。2018年に民事再生へ移行し、返済期限は2027年10月31日まで延長。
- 2017年4月改正資金決済法が施行 暗号資産の交換業が登録制に。
- 2018年1月コインチェックからNEM流出 当時の価格で約580億円相当。業務改善命令を経て2019年1月に登録。
- 2020年5月「暗号資産」へ名称変更 個人の証拠金取引は2倍まで。不公正取引の禁止。
- 2023年4月日銀がCBDCのパイロット実験を開始 発行の是非は決めないまま検証を継続。
- 2023年6月トラベルルール開始・ステーブルコイン制度施行 送金時の本人情報の通知と、電子決済手段の制度がスタート。
- 2024年5月DMM Bitcoinから約482億円相当が流出 2025年3月に口座をSBI VCトレードへ移管。
- 2026年1月CARF(暗号資産等報告枠組み)の届出が開始 新規口座では税務上の居住地国の届出が必要に。
- 2026年7月改正金商法が成立・公布 7月15日成立、7月23日公布。
- 2026年8月無登録業への罰則引き上げなどが先行施行 8月12日から。証券取引等監視委員会に犯則調査の権限。
- 2027年7月ごろまで暗号資産部分の本体施行 公布から1年以内に政令で定める日。
- 最短で2028年1月20%の申告分離課税が始まる見込み 本体施行の翌年1月1日から(当サイトの試算)。
金融庁の登録制:なぜ27社しか営業できないのか
交換業の登録を受けるには、顧客の資産を会社の資産と分けて管理する分別管理顧客から預かった日本円や暗号資産を、会社自身の資産と明確に分けて管理すること。会社が破綻しても顧客資産を守るための基本ルール。、顧客の暗号資産の大部分をネットから切り離して保管するコールドウォレット管理、本人確認やマネー・ローンダリング対策の体制、システムの安全管理などを整える必要があります。登録後も金融庁と財務局の検査・監督を受け、問題があれば業務改善命令や業務停止命令が出されます。
2026年9月30日時点の登録業者は27社で、関東財務局が25社、近畿財務局がZaifとガイアの2社です。このうちGate JapanとCoinbase株式会社は取り扱い銘柄が「なし」となっています。直近では、野村グループのLaser Digital Japanが2026年8月21日に登録されました。反対に、DMM Bitcoinは一覧から消え、BITPOINTは2026年4月にSBI VCトレードへ合併、LINE BITMAXは2026年6月1日にサービスを終了しています。登録業者の顔ぶれは毎年のように動くので、最新の状況は金融庁登録の取引所一覧でまとめて確認できます。
海外の業者も、日本の居住者を勧誘するなら登録が必要です。金融庁はBinance(2018年、2021年)、Bybit(2021年、2023年、2024年)、MEXC、Bitget、KuCoin、LBankなどに無登録営業の警告を出してきました。その結果、Binanceのグローバル版は2023年12月に日本居住者向けサービスを終了し、Bybitは2026年に日本居住者の取引を停止、Bitgetも2026年11月1日から日本居住者の口座を決済のみに切り替えます。経緯と資金の移し方は海外取引所の撤退・警告まとめで詳しく解説しています。
「登録=絶対に安全」ではありません
金融庁自身が、登録は事業者の信用を保証するものではないと注意を促しています。登録業者でも流出事故は起きていますし、取り扱う銘柄の価格が急落するリスクは消えません。登録の確認は「最低限のチェック」と考え、二段階認証や資産の分散も組み合わせてください。
登録業者かどうかは、金融庁の暗号資産交換業者登録一覧(PDF)で、会社名と「関東財務局長 第000XX号」といった登録番号を照合すれば確認できます。SNSで見かけた「金融庁認可」をうたう業者の多くは、この一覧に載っていません。具体的な見分け方は暗号資産詐欺の手口と対策にまとめました。
JVCEAとJCBA:業界の自主規制はどう働いているか
法律と金融庁の監督に加えて、日々の細かなルールを決めているのが一般社団法人日本暗号資産等取引業協会(JVCEA)です。暗号資産の交換業者とデリバティブ業者のための自主規制機関業界団体が自らルールを定め、会員企業に守らせる仕組み。法律より細かな実務ルールを担い、違反には処分も行う。で、会員は事業会員33社と準備会員5社。Coinbase株式会社を除く26社の登録交換業者に加え、証券会社系のデリバティブ業者や、日本円ステーブルコインのJPYC社も会員です。
JVCEAの役割がよく見えるのが、新しい銘柄の取り扱い(上場)です。会員企業は営業部門から独立した審査部署で銘柄を審査し、取り扱う前に協会へ届け出ます。協会は事前審査を行い、異議を述べたり条件を付けたりできます。一方、すでに広く扱われている銘柄はグリーンリストJVCEAが指定した銘柄のリスト。対象の銘柄は、条件を満たす会員なら協会の事前審査を経ずに取り扱いを始められる。に指定され、条件を満たす会員は事前審査なしで取り扱いを始められます。具体的な指定基準は協会の細則で定められています。国内で買える銘柄が海外取引所より少ない大きな理由の一つが、この審査の仕組みです。
個人向けの証拠金取引が2倍までなのも、利用者の目に見える大きな特徴です。金融商品取引業等に関する内閣府令で、個人はポジションの50%以上の証拠金を差し入れることになっており、これが実質的なレバレッジ上限になります。法人は銘柄ごとのリスク想定比率に応じた倍率です。海外で見かける100倍といった高倍率は、国内の登録業者では提供されません。
JVCEAは業界統計も公表しています。2026年8月末の国内口座数は1,447万口座、そのうち実際に取引や残高がある稼働口座は約898万口座でした。登録業者とのトラブルでは、JVCEAが会員企業に関する相談を受け付けています。
名前が似ている一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)は、自主規制機関ではなく、事業者が政策提言や情報交換を行う業界団体です。2026年10月時点の会員は158社・団体で、分離課税を求める税制改正要望(2025年7月)や、ステーキングのベストプラクティス(2026年5月)を公表してきました。ルールを守らせるのがJVCEA、ルール作りに意見を届けるのがJCBA、と覚えておくと整理しやすいでしょう。
金商法への移行で何が変わるのか
2025年12月の金融審議会ワーキング・グループ報告を受け、改正法案は2026年4月10日に閣議決定、7月15日に成立、7月23日に公布されました。暗号資産は資金決済法から金商法に移り、有価証券とは別の「金融商品」として扱われます。日本円ステーブルコインなどの電子決済手段は、引き続き資金決済法に残ります。主な変更点を、利用者に関係の深いものから並べると次のとおりです。
| 項目 | いま(資金決済法) | 改正後(金商法) |
|---|---|---|
| 事業者の呼び名 | 暗号資産交換業者(資金決済法) | 暗号資産取引業者(金商法)。第一種金融商品取引業に準じたルールが適用 |
| インサイダー取引 | 直接の規制なし | 禁止。5年以下の拘禁刑・500万円以下の罰金(併科あり)、課徴金の対象にも |
| 無登録営業 | 3年以下の拘禁刑・300万円以下の罰金 | 10年以下の拘禁刑・1,000万円以下の罰金。緊急差止命令の対象になり、無登録業者による一定の販売契約は原則無効と推定 |
| 銘柄の情報開示 | 交換業者が顧客に説明 | IEOなどで資金を集める発行者に開示義務。発行者のいないBTCなどは取引業者が情報を公表。虚偽記載は10年以下の拘禁刑 |
| 流出事故への備え | 顧客資産の分別管理・コールドウォレット | 上記に加え、補償原資となる責任準備金の積立と、重要なシステム委託先の事前届出 |
| 新規口座からの送金 | 本人情報の確認とトラベルルール | 内閣府令で、口座開設直後は個人ウォレットへ送れない「熟慮期間」を設ける方針 |
| 個人の税金 | 雑所得(総合課税、最大55%) | 特定暗号資産は20.315%の申告分離課税へ(施行の翌年から、最短2028年)。詳しくは税制改正の解説 |
なかでも大きいのがインサイダー取引会社や銘柄に関する未公表の重要な情報を知った人が、その公表前に売買すること。株式では以前から禁止されており、暗号資産にも同様のルールが入る。の禁止です。対象は国内の暗号資産取引業者が扱う銘柄で、取引所での売買だけでなくDEXや相対取引も含まれます。「取引所が新しく取り扱いを始める」「発行者が解散する」といった情報を事前に知った人や、その人から情報を受け取った人が売買すると、5年以下の拘禁刑や500万円以下の罰金の対象になります。上場前の情報で利益を得るような行為は、これからは犯罪です。
施行時期にも注意が必要です。暗号資産に関する本体部分は「公布から1年以内に政令で定める日」に施行されるため、遅くとも2027年7月ごろまでに始まります。執筆時点では、その日付を決める政令は確認できていません。既存の交換業者には施行後6か月の経過期間があり、その間に登録を申請すれば最長2年まで営業を続けられます。
一方、無登録業に対する罰則の引き上げと、証券取引等監視委員会の犯則調査権限の追加は、2026年8月12日に先行して施行されました。ただし暗号資産の無登録営業に10年以下の拘禁刑が適用されるのは、暗号資産部分が金商法に移ってからです。それまでは資金決済法の罰則(3年以下の拘禁刑・300万円以下の罰金)が適用されます。このほか、報酬を受け取って特定の銘柄を宣伝する場合はその事実の表示が必要になり、利用者から暗号資産を借りるサービスや、暗号資産の運用・投資助言も規制対象に加わります。税金の変更点は分離課税20%はいつから?で時系列にまとめています。
トラベルルール:送金時に何を求められるのか
2023年6月1日から、犯罪収益移転防止法(犯収法)にもとづくトラベルルール暗号資産を事業者間で送るとき、送り手の事業者が受け手の事業者に送金人と受取人の情報を通知するルール。マネー・ローンダリング対策の国際基準。が始まりました。交換業者が別の事業者へ暗号資産やステーブルコインを送るとき、送金人の氏名・住所(または顧客番号)・アドレスと、受取人の氏名・アドレスを相手の事業者に通知します。受け取る側も、その情報が正しいかを確認します。
本人が管理する個人ウォレット(アンホステッドウォレット取引所などの事業者を介さず、利用者自身が秘密鍵を管理するウォレット。MetaMaskやハードウェアウォレットが代表例。)や、同等のルールがない国の事業者への送金は通知の対象外ですが、交換業者は同じ情報を集め、送金先のリスクを評価し、ブロックチェーン分析を使って監視することになっています。実際の画面では「送金先は自分のウォレットか」「受取人は誰か」を申告し、アドレスを事前登録する流れが一般的です。事業者ごとに使う通知システムが違うため、取引所どうしの直接送金ができない組み合わせもあります。送金前に各社のヘルプで送金先の対応状況を確認しましょう。ウォレット選びの注意点はウォレットの選び方で解説しています。
送金のルールは今後さらに厳しくなります。金融庁と警察庁は2026年8月6日、JVCEAに対して、日本円の入金や購入の直後は一定期間暗号資産の送付を制限すること、送付先の事前登録と待機期間、送付額の上限、送金人と口座名義の一致確認など11項目の詐欺対策を求めました。2026年の犯収法改正では、信託型のステーブルコインもトラベルルールの対象に加わります。「買ってすぐに外部へ送る」使い方は、今後ますます時間がかかると考えておきましょう。
本人確認(eKYC)とCARF:口座開設で何が求められるか
交換業者は犯収法上の「特定事業者」として、口座開設時に本人の身元、取引の目的、職業などを確認し、記録を保存し、疑わしい取引を届け出る義務を負っています。スマホで完結するeKYCオンラインで完結する本人確認。スマホで本人確認書類と顔を撮影する方式や、ICチップの読み取り、マイナンバーカードの電子証明書を使う方式がある。では、現在、顔写真と本人確認書類の画像を送る方式、ICチップを読み取る方式、マイナンバーカードの電子証明書(公的個人認証)を使う方式などが認められています。
ただし、画像を送るだけの方式はなりすましのリスクが高いとして、廃止に向けた施行規則の改正が2025年6月に公布されています。ICチップやマイナンバーカードを使う方式へ移る流れで、施行日は2027年4月1日と広く報じられていますが、当サイトでは条文から確認できていません。取引所側でも、Zaifが本人確認をマイナンバーカードに一本化する方針を案内するなど、対応が始まっています。マイナンバーカードを使っても、取引所がマイナンバー(個人番号)そのものを記録に残すことはありません。
2026年1月1日からは、各国の税務当局が暗号資産の取引情報を自動的に交換するOECDの枠組み、CARF(暗号資産等報告枠組み)にもとづく届出も始まりました。新しく口座を開く人は、税務上の居住地国と、外国の居住者であればその国の納税者番号を届け出ます。2025年12月31日時点ですでに口座を持っていた人も対象です。税務上の居住地が外国にある人の情報は国税庁を通じて相手国の税務当局と交換されるため、海外からの移住者は特に正確な届出が必要です。
ステーブルコインは「電子決済手段」として扱われる
法定通貨と価値が連動するステーブルコイン日本円や米ドルなどと1対1で価値が連動するように設計されたデジタル通貨。日本の法律では、多くが「電子決済手段」として暗号資産とは別に扱われる。は、日本では暗号資産ではなく「電子決済手段」として別の枠組みで規制されています。2023年6月に施行された制度で、発行できるのは銀行、資金移動業者、信託会社に限られ、仲介する事業者は電子決済手段等取引業者として登録を受けます。登録業者はSBI VCトレード(USDC、RLUSD、JPYSCを扱う)とコインチェック(USDC)の2社です。
日本円建てでは、JPYC社が資金移動業者として2025年10月27日から「JPYC」の発行を始め、2026年9月には累計発行額が100億円を超えました。資金移動業の枠組みのため、1回の送金は100万円が上限です。SBIグループは2026年6月に信託型の「JPYSC」を発行し、9月時点の残高は約201億円。3メガバンクも2026年7月に共同の実証を行い、2026年度中の実取引を目指しています。2025年の資金決済法改正(2026年6月施行)では、信託型ステーブルコインの裏付け資産の最大50%を短期国債や定期預金で運用できるようになりました。使い方や入手方法は日本円ステーブルコインの解説をご覧ください。
日本銀行の立場:デジタル円(CBDC)は発行されるのか
暗号資産の規制と監督を担うのは金融庁で、日本銀行は直接の監督官庁ではありません。日銀が取り組んでいるのは、中央銀行が発行するデジタル通貨、CBDC中央銀行デジタル通貨(Central Bank Digital Currency)。中央銀行が発行する、現金と同じ法定通貨のデジタル版。民間のステーブルコインとは別物。の検討です。2021年4月から2023年3月まで概念実証を行い、2023年4月からは実験用システムと、民間企業が参加する「CBDCフォーラム」の2本柱でパイロット実験を続けています。
2026年6月のパイロット実験の報告によると、CBDCフォーラムは2023年7月以降84回開かれ、参加企業の発表は163件にのぼりました。それでも日銀は、日本でCBDCを発行するかどうかは現時点で決まっておらず、今後の国民的な議論で決まるという立場を変えていません。政府と日銀の連絡会議も開かれていますが、「デジタル円」の発行時期が決まったという事実はありません。
なお、日銀がビットコインなどの暗号資産そのものについて述べた具体的な発言は、当サイトでは一次資料で確認できていません。そのため「日銀は暗号資産をこう見ている」といった引用は掲載していません。報道で日銀幹部の発言を目にした場合は、日銀のウェブサイトに掲載された講演録などの原文を確かめるのが確実です。
暗号資産ETFは日本でいつ買えるようになる?
確認できた範囲では、日本の証券会社で買えるビットコインの現物ETFや、暗号資産に投資する投資信託はまだありません。準備は少しずつ進んでいます。2026年3月に公布された税制改正法では、特定暗号資産に投資する投資信託を株式などと同じ「一般株式等」として扱う規定が入り、改正金商法では暗号資産の運用業務も規制の対象になりました。
ただし税制の規定は、投資信託法の施行令を改正することが前提です。執筆時点では、その施行令改正も、個別の商品の承認や上場も、金融庁の公表資料からは確認できませんでした。報道では「早ければ2027年」から「数年先」まで見方が分かれており、時期を示す一次資料はありません。当サイトでは時期を予想せず、公式の発表があり次第この項目を更新します。
居住者ができること・できないこと
最後に、日本に住んでいる人が暗号資産について「何をしてよくて、何をすると問題になるのか」を一覧にしました。個別の状況によって結論が変わることもあるので、迷ったら取引所のサポート、税務署、弁護士などの専門家に確認してください。
| 行為 | 可否 | ポイント |
|---|---|---|
| 金融庁登録業者での売買・保有 | ✓ できる | スマホの本人確認(eKYC)で口座開設。日本円の入出金は本人名義の銀行口座に限られます |
| 自分のウォレットへの送金・自己保管 | ✓ できる | 送金先が自分のアドレスかどうかの申告を求められます。新規口座の「熟慮期間」が導入予定 |
| 証拠金取引(レバレッジ) | ✓ 2倍まで | 個人は証拠金率50%が下限。海外取引所のような高倍率は国内では提供されません |
| 暗号資産での買い物・通貨同士の交換 | ✓ できる | そのたびに利益が確定したものとして課税対象になります |
| 登録業者のステーキング・貸暗号資産 | ✓ できる | 受け取った報酬は受取時点の時価で所得になります(国税庁FAQ) |
| DEX・DeFiの利用 | △ 自己責任 | 登録業者の保護の外です。予定されている20%の分離課税は登録業者を通じた譲渡に限られます |
| 無登録の海外取引所の利用 | ✕ すすめられない | 居住者向けの無登録営業は業者側の違法行為。警告後に撤退・取引制限となった例が続いています |
| 個人間売買を「業として」行う | ✕ できない | SNSで客を集めて継続的に売買する「相対屋」は無登録営業として逮捕例があります |
| 取引所口座や銀行口座の売買・貸し借り | ✕ できない | 犯罪収益移転防止法で処罰の対象です |
| 未公表の重要事実を知って売買 | ✕ できなくなる | 改正金商法の施行後はインサイダー取引として刑事罰の対象 |
個人間売買そのものの線引きは少し複雑で、友人との一度きりの売買と、SNSで不特定の相手を募って繰り返す売買とでは扱いがまったく違います。詳しくはP2P・個人間取引の解説を、税金の計算方法は仮想通貨の税金ガイドをご覧ください。これから口座を開く人は、ビットコインの買い方で手順を確認できます。
日本の暗号資産規制:よくある質問
日本で仮想通貨を買ったり持ったりするのは違法ですか?
違法ではありません。暗号資産は資金決済法で定義されており、金融庁に登録した暗号資産交換業者を通じて売買・保有できます。2026年9月末時点の登録業者は27社で、金融庁の公式一覧で確認できます。
海外取引所を使うと利用者が罰せられますか?
罰則の対象は、日本の居住者を相手に無登録で営業する業者側です。ただし利用者は日本の保護の枠外に置かれ、Bybitの撤退やBitgetの取引制限のように、ある日突然サービスが使えなくなるリスクがあります。将来の20%分離課税も登録業者を通じた取引に限られる予定です。
改正金商法はいつから適用されますか?
改正法は2026年7月15日に成立し、7月23日に公布されました。暗号資産に関する本体部分は公布から1年以内に政令で定める日に施行されるため、遅くとも2027年7月ごろまでに始まる見込みです。無登録業への罰則引き上げなど一部は2026年8月12日に先行施行されています。
日本の取引所のレバレッジは何倍までですか?
個人の暗号資産証拠金取引は、ポジションの50%以上の証拠金が必要なため最大2倍です。法人は銘柄ごとのリスク想定比率に応じた倍率になります。
日本で暗号資産ETFは買えますか?
確認できた範囲では、まだ買えません。税制改正で暗号資産に投資する投資信託の扱いが定められましたが、投資信託法の施行令改正が前提で、承認や上場の時期について公式の発表は見つかっていません。
日本銀行はデジタル円を発行するのですか?
日本銀行は2023年4月からCBDCのパイロット実験を続けていますが、2026年6月の報告でも発行するかどうかは決まっていないとしています。JPYCのような民間の日本円ステーブルコインとは別物です。





