京都の仮想通貨事情をひと言で言うと
京都と暗号資産の関係を一言でまとめると、「業界が年に一度集まる街で、日常的にビットコインを使う街ではない」となります。金融庁の登録一覧(2026年9月30日現在)に載る暗号資産交換業者資金決済法にもとづき金融庁(各地の財務局)の登録を受け、国内居住者向けに暗号資産の売買・交換・保管を行う事業者。27社のうち、京都に本社を置く会社はありません。暗号資産を現金で扱えるATMも見つからず、ビットコインで支払える場所は有志の地図サービスBTC Mapで2か所だけです。
その一方で、京都には東京にもない顔があります。2023年から毎年7月、国内最大級のスタートアップカンファレンス「IVS」が京都で開かれ、その中に暗号資産・Web3のセッションが組み込まれてきました。主催する実行委員会には京都府と京都市が加わっており、自治体が業界イベントを正面から支えている数少ない例です。京都府は独自にブロックチェーンなどの活用を議論するワーキンググループも運営しています。
このページでは、まずIVSと自治体の関わりを整理し、そのあとATMのない京都での買い方、数少ない支払いスポット、旅行者向けの注意点、税金の窓口の順に解説します。観光都市らしく、京都で暗号資産について調べる人の多くは旅行者です。旅行者にとっての現実的な答えも、あわせてお伝えします。
IVS Cryptoとは?京都で開かれる業界の集まり
「IVS Crypto」は、京都で開かれるスタートアップカンファレンス「IVS」の暗号資産・Web3部門を指す呼び名です。2024年には「IVS Crypto」、2025年には暗号資産VCのIVC(Infinity Ventures Crypto)による「IVC Summit」が開かれ、2026年はメイン会場のみやこめっせ(京都市勧業館)に「Crypto Stage」が設けられました。プレスリリースによると、Crypto StageはIVCと暗号資産メディアのNADA NEWSが運営し、10を超えるパネルセッションが組まれました。
IVS2026の会期は2026年7月1日から3日まで。会場はみやこめっせ、ロームシアター京都、そして招待制の「IVS CORE」が置かれたホテルオークラ京都などです。主催者の発表によると、3日間の参加者は約1.3万人で、2023年から4年連続の京都開催でした。会期中の7月1日から3日は、全国規模の「Japan Blockchain Week 2026」の中でも「IVS2026 Crypto Zone」と位置づけられ、ザ・リッツ・カールトン京都では招待制のレセプションも開かれたと報じられています。
- 2023年IVSの京都開催が始まる 以後、毎年7月に京都で開かれています。
- 2024年IVS Crypto 2024 暗号資産・Web3に特化したプログラムとして開催。
- 2025年IVC Summit 2025 IVCによるサミットとして開催。
- 2026年7月1日〜3日IVS2026 Crypto Stage みやこめっせのメイン会場に設置。IVCとNADA NEWSが運営。
- 次回日程は公式発表待ち 発表があり次第、このページとイベントカレンダーを更新します。
参加を考えている人に伝えたいのは、IVSが「暗号資産のイベント」ではなく「スタートアップのイベント」だという点です。チケットはIVS全体のもので、Crypto Stageはその中の一つの会場にすぎません。サイドイベントは主催者が別の場合も多く、申し込み先も異なります。日程や登録方法はIVSの公式サイトで確認し、全国の主要イベントはイベントカレンダーで比べてください。
京都府・京都市はWeb3にどう関わっている?
IVSを主催する「IVS KYOTO実行委員会」は、Headline Japan、IVC、京都府、京都市で構成されています。自治体が実行委員会に名を連ねていることは、京都が業界イベントを「招いている」だけでなく、「一緒に開いている」ことを意味します。IVS2026では、京都市の松井孝治市長が登壇するセッションも組まれていました。
京都府は、これとは別に独自の場も持っています。府が運営する「京都ビッグデータ活用プラットフォーム」から生まれたワーキンググループ「Chain Up KYOTO」です。府の公式ページによると、ブロックチェーン取引の記録を多数の参加者で共有・検証する台帳技術。改ざんが難しく、暗号資産やNFTの土台になっている。、メタバースインターネット上に作られた3次元の仮想空間。アバターで集まったり、デジタル資産を使ったりできる。、XR、AI、IoTなどのWeb3.0関連技術を使って、社会課題を解決するビジネスモデルやスマートシティの実現を目指す会員の集まりで、事務局は総合政策環境部デジタル政策推進課が担っています。
| 日付 | Chain Up KYOTOの主な活動(京都府公式ページより) |
|---|---|
| 2024年12月17日 | 第2回ワーキンググループ。産業ごとのNFT活用事例を共有 |
| 2025年3月18日 | 第3回ワーキンググループ。Web3.0関連ニュースの振り返りと会員交流 |
| 2025年12月4日 | 第4回ワーキンググループ。ステーブルコインのプロジェクト動向やWeb3.0・XRのソリューション事例 |
| 2026年7月2日 | IVSサイドイベント「なぜ京都でWeb3.0ビジネスなのか」(京都府庁旧議場、50人超が参加) |
2026年7月2日のサイドイベントは、京都府デジタル政策推進課が共催し、京都でWeb3.0事業に取り組む企業と府が、京都で活動する魅力や課題を話し合う形で開かれました。府に事業や構想を提案するピッチも行われています。また、国のスタートアップ支援の枠組みでは、京都は大阪・兵庫神戸とともに2020年、内閣府の「スタートアップ・エコシステム拠点都市」のグローバル拠点都市に選ばれています。
ただし、これらはいずれも事業者や研究者向けの取り組みです。個人が暗号資産を買うことを補助したり、税制上の優遇を設けたりする制度は、京都府にも京都市にもありません。
ATMのない京都で仮想通貨を買うには
京都で暗号資産を買う方法は、オンラインに限られます。といっても難しいことはなく、全国どこでも同じ手順で、スマホだけで完結します。
金融庁登録の交換業者を選ぶ
スマホで本人確認
マイナンバーカードや運転免許証、在留カードのICチップを読み取るeKYCオンラインで完結する本人確認(electronic Know Your Customer)。本人確認書類のICチップ読み取りや顔写真の撮影で行う。なら数分で終わります。
本人名義の口座から入金
地元の銀行が即時入金に対応しているかを確認します(次の段落を参照)。
少額から購入
画面ごとの手順はビットコインの買い方ガイドにあります。
京都ならではの注意点は銀行です。京都銀行は、たとえばGMOコインの即時入金に対応する銀行の一覧には含まれていません。GMOコインの一覧にあるのはドコモSMTBネット銀行、PayPay銀行、ゆうちょ銀行などで、地方銀行の口座から入金する場合は通常の振込になり、反映までに時間がかかります。すぐに入金したいなら、ネット銀行の口座を一つ持っておくと便利です。また、振込名義と口座名義が違う送金は銀行側で止められることがあるので、必ず本人名義の口座から送りましょう。入金手段の全体像は入金・購入方法まとめで比べられます。
どうしても現金を使いたい場合、いちばん近いのは大阪です。ガイアが難波の「トラベルハブなんば」内と西区新町の大阪オフィス内にBTMを置いており、土日祝を除く平日10時〜17時に利用できます。ただし手数料は売買とも10%(税込)、1回10万円までと割高で、購入には事前の利用者登録と、自分で管理するウォレットの登録が必要です。詳しくは大阪の地域ガイドをご覧ください。
京都でビットコインが使える場所
BTC Mapに載る京都府内のスポットは2か所です。年間に多くの観光客が訪れる街であることを考えると、驚くほど少ない数です。
- Hokora of Bitcoin Kyoto(中京区聚楽廻西町126):ギフトショップ。Lightningビットコインの上に作られた少額・高速決済の仕組み。対応ウォレットでQRコードを読み取ると数秒で支払いが完了する。とオンチェーンの両方に対応。最終確認は2025年10月18日で、1年近く更新されていません。
- もみの木ハウス:マッサージ店。地図データにビットコイン対応の印はあるものの、支払い方法の詳細が登録されていません(最終確認2026年4月26日)。
どちらも店舗の公式発表ではなく、利用者コミュニティの登録情報です。出かける前に、電話やSNSで「今もビットコインで払えるか」を必ず確かめてください。京都府の隣、滋賀県ではゲストハウス「でたらめ荘」がLightning払いに対応しています(2026年7月確認)。
国内の居住者がビットコインで支払うと、その時点で値上がり益が確定したものとして扱われ、雑所得給与・事業などに当てはまらない所得の区分。暗号資産の利益は原則ここに入り、給与などと合算して税率が決まる(最大55%)。として課税対象になります。少額の支払いでも、日時と円換算額を記録しておくと確定申告のときに困りません。全国の支払いスポットは仮想通貨が使える店にまとめています。
京都を訪れる旅行者へ:暗号資産より現実的な支払い
京都を訪れる海外からの旅行者が「京都でビットコインを使えるか」と調べることは珍しくありません。正直な答えは、「ほぼ使えないので、カードと現金を用意してください」です。支払いスポットが2か所しかないうえ、寺社や老舗の多くは現金かカード払いが中心だからです。
旅行者が日本の交換業者で口座を開くこともできません。国内の交換業者は日本の住所と在留カードを本人確認の前提にしています。暗号資産を持ったまま旅行するなら、自国の取引所が発行する暗号資産連動のカードを使う方法があります。日本で使えるカードの考え方は仮想通貨カードの解説で整理しています。
旅行中に新たに暗号資産を買いたい場合は、海外発行カードに対応した国際プラットフォームが選択肢になります。たとえばCEX.IOは米国FinCENのMSB登録や英国FCAの暗号資産事業者登録を持ち、Visa・Mastercard、Apple Pay、Google Payに対応しますが、日本の金融庁には登録されておらず、日本円にも対応せず、日本は同社の対象外の国に含まれています。日本に住む人向けのサービスではありません。SNSで知り合った相手との個人間取引は、詐欺や法令違反のリスクが高いので避けてください。
京都での確定申告:大阪国税局の管轄
京都府は、税務の上では大阪国税局の管轄です。確定申告書は国税局ではなく住所地を管轄する税務署に提出し、e-Taxを使えばオンラインで完結します。京都市内には区ごとに複数の税務署があるので、自分の担当は郵便番号で調べるのが確実です。暗号資産の利益の計算方法は仮想通貨の税金と確定申告で解説しています。
- 税務署の調べ方
- 国税庁「税務署の所在地などを知りたい方」で郵便番号から検索できます。
- 大阪国税局
- 〒540-8541 大阪市中央区大手前1-5-63 大阪合同庁舎第3号館/06-6941-5331。京都府・大阪府・兵庫県・奈良県・滋賀県・和歌山県を管轄。
- 近畿財務局
- 〒540-8550 大阪市中央区大手前4-1-76 大阪合同庁舎第4号館。京都を含む近畿の金融行政の窓口で、大阪府の交換業者2社の登録先です。
会社員で給与以外の所得が年20万円以下なら所得税の確定申告は不要ですが、住民税の申告は別に必要です。京都市に住んでいる人は、区役所・支所の窓口が住民税の申告先になります。迷ったら税務署の電話相談か税理士に確認してください。
滋賀県に住んでいる人へ
滋賀県も大阪国税局と近畿財務局の管轄で、県内に交換業者の本社やATMはありません。購入方法や税金の窓口は、このページの京都の説明がそのまま当てはまります。
Map: svg-maps/japan, CC BY 4.0
京都の仮想通貨事情:よくある質問
IVS Cryptoとは何ですか?
京都で毎年7月に開かれるスタートアップカンファレンス「IVS」の暗号資産・Web3部門を指す呼び名です。2024年の「IVS Crypto」、2025年の「IVC Summit」を経て、2026年はみやこめっせのメイン会場に、暗号資産VCのIVCとNADA NEWSによる「Crypto Stage」が設けられました。
京都にビットコインATMはありますか?
確認できた範囲ではありません。京都に本社を置く登録交換業者もありません。現金で暗号資産を扱える機械が最も近いのは大阪で、ガイアが難波と西区新町の2台を案内しています(平日10時〜17時、手数料は売買とも10%、購入には事前登録が必要)。
京都でビットコインが使える店はありますか?
BTC Mapに載っているのは2か所だけです。中京区のギフトショップ「Hokora of Bitcoin Kyoto」(Lightningとオンチェーン、最終確認2025年10月)と、決済方法の詳細が登録されていないマッサージ店1軒です。訪問前に必ず店へ確認してください。
京都府や京都市はWeb3を支援していますか?
京都府と京都市は、Headline JapanなどとともにIVSの実行委員会に加わっています。京都府は「京都ビッグデータ活用プラットフォーム」のワーキンググループ「Chain Up KYOTO」を通じて、ブロックチェーンなどの活用を議論する場を設けています。個人の暗号資産購入を補助する制度はありません。
京都に住んでいる場合、確定申告はどこに出しますか?
住所地を管轄する税務署に提出します。京都府は大阪国税局の管轄で、税務署は国税庁サイトで郵便番号から調べられます。e-Taxを使えばオンラインで完結します。
旅行者は京都で仮想通貨を買えますか?
国内の交換業者は日本の住所と在留カードを前提にしているため、短期滞在の旅行者は口座を開けません。自国で使っている取引所を引き続き使うか、海外発行カードに対応した国際プラットフォームを使うのが一般的です。京都での支払いは、カードや現金のほうが現実的です。





