先に結論
2026年9月30日の金融庁の登録一覧で、PI(Pi Network)を取り扱う国内の暗号資産交換業者はありません。上のコンバーターの価格は、海外の取引所での市場価格をもとにした参考値で、日本の取引所で売買できる価格ではありません。
Pi Networkとは?
Pi Networkは、スマートフォンのアプリで毎日ボタンを押すと「採掘」できる暗号資産として広まりました。公式のFAQでは、携帯電話で無料で「マイニング」できる新しい暗号資産であり、「無料のお金ではない」ことも明記されています。マイニングは、バッテリーや通信量に大きな負担をかけない仕組みで、24時間のセッションを有効にした間だけ進みます。運営はPi Core Teamで、参加者はパイオニアと呼ばれます。
もうひとつの特徴は、本人確認(KYC本人確認のこと。Piでは、アプリで採掘した残高をメインネットに移す前に、本人確認の審査を通す必要がある。)です。公式の説明では、KYCに通ると、モバイルで採掘した残高をメインネットPiが開発してきた本番のブロックチェーン。アプリ上の残高をここに移すと、オンチェーンのPiになる。に移すことができます。つまり、アプリ内で見える数字がそのままブロックチェーン上のPiになるわけではなく、本人確認と移行の手続きを済ませる必要があります。
Piの現在の状況:公式情報でわかること
Piのネットワークは、外部とつながらない「囲い込み期間」と、外部と接続できる「オープンネットワーク」の段階に分かれています。公式FAQによれば、オープンネットワークでは外部との接続が許可され、Piウォレットがあらゆる暗号資産を保有できるようになるとされています。第三者の報道では、オープンネットワークは2025年2月20日に始まったとされています(公式ブログの該当記事そのものは、今回は確認できていません)。
- 2025年2月20日オープンネットワーク開始(報道)。外部との接続が可能に。第三者の報道にもとづく情報。
- 2026年9月17日KYCとメインネット移行の技術的な更新。Pi公式ブログが、KYCの申請や移行を妨げていた課題の改善を発表。
- 2026年10月15日エコシステムサミットを発表。11月17〜19日にオンラインで開催するとPi公式ブログが告知。
- 今後KYC・移行の進み具合と、国内外の上場の有無は、Pi公式発表と取引所の公式情報で確認が必要。
KYCの完了者数や移行者数について、2026年4月の報道では「KYC完了が1,810万人超、メインネット移行が1,672万人超」とPi Core Teamの発表として伝えられました。ただし、これは第三者サイトの報道で、公式の一次情報では確認していません。大切なのは、ネットワークが開いたことと、日本の居住者が日本の法律のもとで安全に売買できることは別、という点です。
なぜ国内の取引所でPiを買えないのか
国内で暗号資産の売買を仲介するには、金融庁の登録(暗号資産交換業者)が必要です。登録業者は、取り扱う銘柄を事前に届け出取引所が取り扱う暗号資産を、金融庁に事前に知らせる手続き。て、日本暗号資産等取引業協会(JVCEA)の審査も受けます。2026年9月30日の登録一覧を、主要な取引所14社の取扱銘柄で調べると、PIは1社も取り扱っていません。HYPEやZEC、XMRなども同様に載っていません。
国内の取り扱いがない理由を、取引所が公式に説明しているわけではないので、ここでは推測しません。確かなのは、「国内の登録業者に上場していない」という事実だけです。そのため、国内の取引所で日本円を入金してPiを買うことも、Piを送って日本円にすることもできません。国内で買える主要銘柄は銘柄ガイドと金融庁登録の取引所一覧で確認できます。
海外の取引所のPi:日本居住者は使える?
CoinGeckoのPiの取引所リスト(確認時点)には、下の表の取引所が載っています。ここでの目的は、これらを勧めることではなく、日本居住者が使うべきでない理由を整理することです。金融庁に登録されていない海外の取引所を、日本居住者が使うことには大きなリスクがあります。
| 取引所 | 金融庁の登録 | 日本居住者の利用 | 補足 |
|---|---|---|---|
| CEX.IO | 未登録 | 不可(日本は対応外の国) | PI/USD、PI/USDTのペアあり。日本円は非対応 |
| OKX | 未登録(日本の関連会社OKJは登録) | 不可(日本は利用制限地域) | OKJにPIの取り扱いはない |
| Gate | 未登録(Gate Japanは登録、取扱なし) | 不可(利用規約で制限地域) | — |
| Bitget | 未登録 | 撤退中(2026年11月1日から新規取引不可、12月31日に強制決済) | 金融庁が2023年・2024年に警告 |
| MEXC | 未登録 | 利用規約は日本を禁止していないが、金融庁の警告対象 | 2023年・2024年に警告。報道ではアプリ配信の停止も |
| LBank | 未登録 | 金融庁の警告対象 | 2024年に警告。報道ではアプリ配信の停止も |
| Kraken | 日本の登録は廃止 | 日本居住者向けサービスは終了(2023年) | 登録一覧から消えた時期で確認 |
| BTCC、CoinUp.io、CoinW、DigiFinex、Hibt、XT.COM、Webot、XBO.com、Mercado Bitcoin | 登録一覧に記載なし | 日本居住者の受け入れ可否は未確認 | 登録業者でないため、日本居住者は使うべきでない |
金融庁は、無登録で日本居住者に勧誘する海外取引所に、警告書を出しています。Bybitは日本居住者へのサービスを終了し、Bitgetも撤退を発表しました。こうした取引所は、突然サービスが止まり、資産を取り出せなくなるおそれがあります。トラブルになっても、日本の登録業者に適用される利用者保護は受けられません。詳しくは海外取引所と日本居住者と日本の暗号資産規制で説明しています。
Piを日本円に換金する方法はある?
正直にお伝えすると、日本居住者が金融庁の登録業者を通じてPiを日本円にする、問題のない道筋は現時点では見つかりません。国内の取引所にPiを入金できず、海外の取引所は日本居住者が使えない、または警告の対象です。「パイネットワークの換金はこちら」とうたう広告やSNSの投稿、個人間の取引は、ほぼ詐欺か違法の疑いがあるものと考えてください。
VPNなどで居住国を偽って海外の取引所を使う方法は、取引所の規約違反となるうえ、資産が凍結されるリスクがあり、おすすめしません。このサイトでも、そうした方法は紹介しません。一般の暗号資産を円にする手順は日本円に換金する方法で説明していますが、PIはその対象外です。
現実的な選択肢は、公式の発表や、国内取引所の上場情報が出るまで待つことです。国内の取引所が将来Piを上場する場合は、取引所の公式のお知らせとして発表されます。SNSの「上場決定」という噂は信じないでください。
Piをめぐる詐欺と偽サイト
Piは利用者が多く、換金できないことにつけ込んだ詐欺が目立ちます。Piの公式の安全情報(Safety Center)でも、Piの許可なく「Piまたはその派生トークン」を上場した第三者の取引所があること、公式ではないものは公式を名乗っても公式ではないこと、ウォレットのパスフレーズPiウォレットを復元するための文字列。知られると資産を全て移されるので、他人に教えてはいけない。は公式アプリにだけ入力することが注意されています。
- 「プレマーケット」「IOU借用証書のこと。将来Piと交換できると約束する権利の売買で、Pi本体ではない。」の予約販売:将来Piに交換できると約束する権利の売買です。Piそのものではなく、受け取れる保証はありません。
- 偽の「Pi→円」換金サイト:手数料や税金を先に払わせたり、パスフレーズの入力を求めたりします。
- KYC代行・審査の早回し:公式のKYCはPi公式の案内にしたがって自分で行います。第三者にお金を払って審査を早める方法はなく。
- パスフレーズの共有:誰にも教えてはいけません。わかれば、Piを全額移されます。
- 著名人や「元社員」を名乗る投資グループ:SNSやLINEから勧誘してきます。
手口の全体像は暗号資産詐欺の手口と対策にまとめています。
Piの税金:マイニングで得た分はどう扱う?
国税庁のFAQでは、マイニング採掘。計算作業の見返りに新しい暗号資産を得る仕組みで、得た時点の価額が所得になる。、ステーキング、レンディングなどで暗号資産を得たときは、その時点の価額が所得になるとされています(国税庁の暗号資産FAQ)。ただし、価額を決めるには、取得した時点の時価が必要です。Piは国内の取引所に上場しておらず、日本円の相場が出ていないため、どう評価するかは悩ましい問題です。
アプリで採掘したPiが「所得」にあたるか、どの時点で、いくらで評価するかは、状況によって判断が分かれる可能性があります。この点について一般的な正解は、ここでは示せません。Piを持っている人は、採掘を始めた時期、KYCや移行の状況、受け取った数量を記録しておき、税務署か暗号資産に詳しい税理士に相談してください。税の全体像は仮想通貨の税金と確定申告をご覧ください。
日本で使える取引所かを見分ける5つのポイント
使う前に必ず確認
PIに限らず、どの取引所でも次の点を確認してください。1つでも当てはまらなければ、入金しないでください。
金融庁の登録一覧に載っているか
登録一覧(PDF)で、会社名と登録番号を確認します。国内の登録業者は金融庁登録の取引所一覧にまとめています。
金融庁の警告対象になっていないか
金融庁は無登録業者の警告リストを公開しています。MEXC、LBank、Bitgetなどが載っています。
日本居住者を受け入れているか
利用規約の「利用できない国・地域」に日本が入っていないか確認します。入っているなら使えません。
日本円で入出金できるか
国内の登録業者は、本人名義の日本の銀行口座で入出金します。円に対応しない場合は、国内で使える業者ではありません。
「必ず儲かる」と言っていないか
高利回りや換金保証をうたう業者は詐欺の可能性があります。
Piを持っている人がやることチェックリスト
- パスフレーズを紙などに控え、他人に見せない。メールやSNS、クラウドに保存しない。
- Piの公式アプリと、公式サイト(minepi.com)に載っている公式の窓口だけを使う。リンクはSNSからではなく自分で入力する。
- 「換金」「プレマーケット」「KYC代行」の勧誘は、すべて無視する。
- KYCや移行は、公式アプリの案内にしたがって自分で行う。
- 採掘を始めた時期、残高、移行した日付を記録して残す(税務署や税理士への相談に備える)。
- 海外の取引所に送る前に、そこが日本居住者を受け入れているかを確認する。わからないなら動かさない。
- 国内の取引所が上場したときは、取引所の公式サイトのお知らせで確認する。
訪日中の方・日本に住んでいない方は?
CoinGeckoのリストにあるCEX.IOは、公開されているAPIの情報で、PI/USDとPI/USDTのペアを提供していることを確認できました。CEX.IOは米国でFinCENのMSB登録、英国でFCAの暗号資産事業者登録を持つ国際プラットフォームで、Visa・Mastercard、Apple Pay、Google Payに対応しています。一方で、金融庁には登録されておらず、日本円に対応しておらず、日本を対応外の国としています。日本居住者は使えません。
Pi Network(パイコイン):よくある質問
パイコイン(Pi)は日本の取引所で買えますか?
買えません。金融庁の暗号資産交換業者登録一覧(2026年9月30日時点)で、PI(Pi Network)を取り扱っている業者は1社もありません。日本居住者が国内の登録取引所でPiを買ったり売ったりすることは、現時点ではできません。
パイネットワークの換金はどうすればいいですか?
日本居住者が、金融庁の登録業者を通じて安全にPiを日本円にするルートは、現時点で見つかりません。国内の取引所に送ることもできず、「Piを円に換金できる」とうたうサイトや個人はほぼ詐欺と考えてください。持っている場合は、むやみに動かさず、後半のチェックリストを確認してください。
Piは海外の取引所で買えると聞きましたが、日本から使えますか?
CoinGeckoの取引所リストにはOKX、Gate、Bitget、MEXC、LBankなどが載っていますが、日本居住者は使うべきではありません。OKXとGateは日本を利用制限地域にしており、Bitgetは日本から撤退中で、MEXCとLBankは金融庁の警告を受けています。いずれも金融庁の登録業者ではありません。
Pi Networkは詐欺ですか?
Piをモバイルアプリで「採掘」できることや、本人確認(KYC)を求める仕組みは公式の説明どおりで、Pi Core Teamが運営しています。ただし、Pi自体の価値や将来性は保証されていません。詐欺が多いのは、Piをかたる投資話、「プレマーケット」の予約販売、偽の換金サイト、KYC代行などの周辺です。
Piのマイニング報酬は税金の対象ですか?
国税庁のFAQでは、マイニングで得た暗号資産は、取得した時点の価額が所得になるとされています。ただしPiは国内の取引所に上場しておらず、日本円での時価の出し方が難しい銘柄です。評価の方法は、税務署か税理士に確認してください。
Piを持っているだけなら問題ありませんか?
アプリ内のPiを持っていること自体を禁止する決まりはありません。ただし、取引所に送る、第三者と売買する、といった行為は、相手先が金融庁の登録業者か、日本居住者を受け入れているかを必ず確認してください。わからないときは動かさないのが安全です。
日本に住んでいない人はPiを取引できますか?
CoinGeckoの取引所リストにはCEX.IOも載っており、同社の公開情報ではPI/USDとPI/USDTの取引ペアがあります。ただしCEX.IOは日本を対応外の国としており、金融庁の登録業者でもありません。日本居住者は使えません。訪日中の方や海外在住の方は、居住国の規則を確認してください。





