P2P取引とは?取引所で買うのと何が違うのか
P2PPeer to Peer(個人対個人)。取引所を相手にせず、利用者同士が直接、暗号資産と代金をやり取りする取引のこと。取引は、取引所が売り手や買い手の相手方になるのではなく、個人と個人が直接、暗号資産と代金を交換する取引です。海外の大手取引所では、運営者が「広告掲示板」を用意し、売り手が「1USDT=○○円、PayPayか銀行振込で」といった条件を掲げ、買い手がそれに応じる形式が一般的です。代金は当事者同士が銀行振込や電子マネーで直接送り、プラットフォームは売り手の暗号資産を一時的にロックするエスクロー取引が完了するまで第三者が代金や商品を預かる仕組み。P2Pでは運営者が売り手の暗号資産をロックし、入金確認後に買い手へ渡す。を提供します。
日本の取引所で買う場合は、取引所自身が売り手になる販売所取引所が売り手・買い手の相手方になって売買する形式。操作は簡単だが、買値と売値の差(スプレッド)が実質的なコストになる。か、利用者同士の注文を取引所が突き合わせる板取引を使います。どちらも、取引所が本人確認(KYC)Know Your Customer。氏名・住所・生年月日などを本人確認書類で確かめる手続き。日本の取引所では法律で義務づけられている。を済ませた顧客だけを相手にし、日本円は本人名義の銀行口座からしか入金できません。P2Pが「本人確認が緩い」「好きな支払い方法を使える」と言われるのは、この仕組みの外側でお金が動くからです。
ただ、その自由さには代償があります。相手が誰か分からない、振り込まれたお金の出どころが分からない、トラブルの際に守ってくれる仕組みが乏しい。日本でP2Pを考えるときに最初に押さえるべきなのは、価格や手数料よりも、この「相手と資金の素性」の問題です。以下、法律、実際の事件、口座凍結、プラットフォーム、価格の順に見ていきます。
日本でP2P取引は合法?「業として」が分かれ目
結論から言うと、日本の法律はP2Pという形式そのものを禁止してはいません。問題になるのは「誰が、どのくらいの頻度で、誰を相手に」行うかです。資金決済法第2条第15項は、暗号資産の売買・交換、その媒介他人同士の取引が成立するよう間に入って尽力すること。勧誘、条件の交渉、商品の説明なども含まれうる。・取次ぎ・代理、利用者の金銭や暗号資産の管理を「業として」行うことを暗号資産交換業と定めています。そして第63条の2で、内閣総理大臣の登録(実務上は金融庁・財務局)を受けた者でなければ営めないとしています。
金融庁の事務ガイドラインは、「業として」に当たるかどうかを、不特定多数を相手にする「対公衆性」と、繰り返し続ける「反復継続性」で判断するとしています。実際に繰り返していなくても、そうした行為が想定される段階で当てはまりうる点にも注意が必要です。つまり、友人に一度だけビットコインを譲るような取引は登録の対象外と考えられる一方、SNSや掲示板で広告を出し、不特定の相手と利益目的で売買を繰り返せば、個人であっても無登録営業に当たる可能性が高くなります。ガイドラインは、当たり障りのない広告からSNSや別サイトに誘導して取引させる手口も、無登録営業に当たりうると明記しています。
P2Pの「場」を運営する側は、さらにはっきりしています。売り手と買い手を引き合わせ、チャットや紛争処理、エスクローを用意する仕組みは、ガイドラインのいう媒介に当たる可能性が高く、エスクローで暗号資産を預かれば「管理」にも該当しえます。2026年6月に施行された改正資金決済法で新しく設けられた「電子決済手段・暗号資産サービス仲介業」も、登録取引所への取り次ぎを想定した制度で、利用者同士を無登録で引き合わせることを認めるものではありません。
罰則は、現行の資金決済法で3年以下の拘禁刑もしくは300万円以下の罰金、またはその両方です(第107条)。法人には両罰規定で300万円以下の罰金が科されます。さらに2026年7月15日に成立した改正金融商品取引法により、暗号資産の売買は金商法上の「暗号資産取引業」に移ります。政令で定める施行日(遅くとも2027年7月ごろ)以降は、無登録の金融商品取引業として最大10年の拘禁刑・1,000万円の罰金という重い枠組みの対象になります。法律の全体像は日本の暗号資産規制ガイドで解説しています。
| ケース | 登録の要否(当サイトの整理) | おもなリスク |
|---|---|---|
| 友人・家族と一度だけ売買する | 「業として」に当たらず、原則として登録は不要と考えられる | 代金の出どころ、税金の申告漏れ |
| SNSや掲示板で広告し、繰り返し売買する(相対屋) | 無登録の暗号資産交換業に当たる可能性が高い | 刑事罰、資金洗浄の捜査対象になる |
| 売り手と買い手をつなぐ場を運営する | 媒介に当たり、エスクローがあれば管理にも該当しうる | 無登録営業、利用者資産の毀損 |
| 海外P2Pで日本円の広告に応じる | 運営者は日本で無登録。主要各社は日本居住者を規約で除外 | 規約違反による凍結、詐欺資金の受け取り |
この整理の位置づけ
上の表は、資金決済法の条文と金融庁の事務ガイドラインの公表文を、当サイトが読み解いて整理したものです。個別の取引が「業として」に当たるかは事実関係で判断されます。具体的な判断が必要な場合は弁護士に相談してください。
「相対屋」の逮捕例:警察はすでに動いている
現金や電子マネーと暗号資産を個人的に交換する業者は、俗に相対屋SNSなどで客を集め、現金や電子マネーと暗号資産を1対1で交換する個人・グループの俗称。登録がなければ無登録営業にあたる。と呼ばれます。ここ数年、相対屋が資金決済法違反(無登録営業)の疑いで摘発される例が続いています。日付と出典を確認できた主な事例を時系列で並べます。
- 2022年3月金融庁が個人に警告書 SNSを通じて暗号資産の交換を行っていた六本木の個人に対し、金融庁が無登録営業として警告書を出しました。個人がSNSで交換相手を募る行為が対象になった先例です。
- 2025年6月詐欺被害金を換金する「相対取引グループ」 警視庁と愛知県警が、特殊詐欺の被害金で買われた暗号資産を換金していたグループを摘発しました(警察庁 JAFIC年次報告書の事例)。組織犯罪処罰法違反で立件されています。
- 2026年1月14日警視庁、新宿区の22歳の男を逮捕 SNSで知り合った相手からライトコインを買い取り、SNSで募った買い手に約15%の手数料を上乗せして転売した疑いです(日本経済新聞)。
- 2026年10月21日宮崎県警、3人を再逮捕 東京の会社役員の父子ら3人が、4人の客から受け取った現金約5,390万円を90回にわたって暗号資産に替え、約103万円の手数料を得た疑いです。別の約1,935万円分でも約62万円を得たとされます。3人は同年9月にマネーロンダリングの疑いで逮捕されていました(UMK、Yahoo!ニュース)。
このほか、「本人確認不要」とSNSで宣伝して電子マネーを受け取り、海外オンラインカジノの口座へ暗号資産を送っていた男3人を群馬県警が逮捕した事例、X(旧Twitter)で取引を募っていた大阪の大学生を京都府警が逮捕した事例、手数料1.5〜3%で交換していた会社役員を警察庁と広島県警が合同捜査で逮捕した事例も報じられています。ただし元記事がすでに削除されており、日付や金額を確認できなかったため、年表には入れていません。
警察庁の「犯罪収益移転危険度調査書」(令和7年)も、SNSで暗号資産の交換を勧誘する個人、詐欺の収益を相対屋を通じて現金化する手口、日本円で買った暗号資産を海外でP2P売却する地下銀行の手口を取り上げています。知人に頼まれて第三者のお金で取引していた取引所の利用者が、無登録営業で逮捕された例も紹介されています。「頼まれて少し手伝っただけ」という立場でも、捜査の対象になりうるということです。
売る側も危ない:詐欺資金の受け取りと口座凍結

P2Pで暗号資産を売り、代金を銀行振込で受け取る人にとって最大のリスクは、詐欺の被害金を受け取ってしまうことです。手口はこうです。詐欺グループが被害者に「投資金」としてあなたの口座へ振り込ませ、その見返りにあなたから暗号資産を受け取ります。あなたは正当に売ったつもりでも、入ってきたのは詐欺被害者のお金です。被害者が警察や銀行に届け出れば、振込先であるあなたの口座が疑われます。
背景の数字は深刻です。警察庁によると、2024年の被害額は特殊詐欺が718.8億円、SNS型投資・ロマンス詐欺が1,271.9億円で、いずれも過去最多でした。SNS型投資詐欺の被害金の86.2%、ロマンス詐欺の73.8%は銀行振込で支払われています。P2Pの売り手の口座は、こうしたお金の受け皿として狙われやすい位置にあります。
振り込め詐欺救済法は、銀行が警察からの情報などにより口座が犯罪に使われた疑いがあると判断したとき、取引の停止などの措置をとるよう定めています(第3条)。犯罪で得たお金の移し替えに使われた口座も対象です。その後は預金保険機構の公告を経て、口座の預金債権を消滅させる手続きに進みます(第4条)。権利行使の届出期間は60日以上とされ、その間に名義人が届け出るか訴訟を起こさなければ、残高を失うおそれがあります。凍結された口座は給与の受け取りや公共料金の引き落としにも使えなくなるため、生活への影響は小さくありません。
2024年8月には金融庁と警察庁が連名で、銀行に口座開設時の確認や不正利用の監視の強化、凍結の迅速化を求めました。また、暗号資産取引所のアカウントを他人に譲り渡したり売ったりする行為は犯罪収益移転防止法で処罰され、上限は拘禁刑3年・罰金500万円、業として行えば拘禁刑5年・罰金1,000万円です。警察庁は留学生などが口座を売り渡す事例の増加にも触れています。「口座を貸してくれたら報酬を払う」という誘いは典型的な入口です。手口の見分け方は暗号資産詐欺の手口と対策にまとめています。
こんな取引相手には要注意
名義の違う口座からの振込、何回にも分けた振込、「急いでいる」「相場より高く買う」と持ちかける相手、取引のあとで「間違えて振り込んだので返金してほしい」と連絡してくる相手。いずれも詐欺資金や口座の悪用でよく見られるパターンです。
バイナンスP2Pは使える?主要プラットフォームの日本対応
「バイナンス p2p」と検索する人が多いのは、海外ではBinanceのP2Pが各国通貨とUSDTを交換する定番の場だからです。しかし日本居住者については事情がまったく違います。Binanceのグローバル版は2023年12月1日で日本居住者向けのサービスを終了し、Binance Japanへ移行しなかったアカウントは出金のみになりました。そして金融庁に登録されているBinance Japan(関東財務局長 第00031号)には、日本円で利用者同士が売買するP2P機能がありません。2024年11月に始まった「Binance Pay」は、Binance Japanの利用者同士で暗号資産を送り合う機能で、日本円は扱いません。Binance Japanの特徴はBinance Japanのレビューで詳しく紹介しています。
ほかの大手も同様です。Bybitは2026年3月23日から日本居住者のアカウントを決済のみ(新規の取引不可)とし、その対象にP2Pも明記しました。7月22日に残りのポジションが清算され、現在、日本居住者に残っているのは変換と出金だけです。OKXは日本を「制限地域」、Bitgetは「禁止国」と規約に記載しています。かつての定番だったPaxfulは2025年11月1日までに全サービスを終え、LocalBitcoinsは2023年2月16日に取引を終了しました。各社の撤退の経緯は海外取引所の撤退・警告まとめで時系列にまとめています。
| サービス | 日本居住者 | 日本円P2Pの状況 | 補足 |
|---|---|---|---|
| Binance Japan 金融庁登録 | 利用できる | 日本円のP2P機能なし | Binance Payは暗号資産の送り合いのみ。PayPayマネーでの購入は可能 |
| Binance(グローバル) 海外 | 2023年12月1日で終了 | 円建て広告はある | 金融庁が2018年と2021年に警告 |
| Bybit 海外 | 2026年3月23日から決済のみ、7月に撤退完了 | 円建て広告はある | 決済のみの対象にP2Pも明記 |
| OKX 海外 | 規約で「制限地域」 | 円建て広告はある | 登録業者のOKJ(第00020号)は別会社で、P2P機能は確認できず |
| Bitget 海外 | 規約で「禁止国」 | 円建て広告はある | 2026年11月1日から日本居住者は決済のみ |
| Paxful/LocalBitcoins | サービス終了 | — | Paxfulは2025年11月、LocalBitcoinsは2023年2月に終了 |
海外P2Pの円建て広告には、いまも支払い方法に「LINE Pay」を掲げるものが残っています。しかし日本のLINE Payは、2024年11月の新規登録停止、2025年3月のチャージ停止、4月の送金・出金停止を経て、2025年4月30日までに終了しています(LINEヤフーの発表)。LINE Payを掲げた広告は、少なくとも情報が更新されていない広告だと判断してよいでしょう。
一方、Hodl Hodl、Bisq、RoboSats、Peachといったノンカストディアル型運営者が利用者の資産を預からない方式。マルチシグなどで当事者同士が鍵を持ち合い、エスクローを実現する。のP2Pは、本人確認がなく、規約上も日本を除外していません。金融庁の警告リストにも載っていません。ただし日本円の流動性は、ほぼゼロです。当サイトが2026年10月22日に確認した時点で、Hodl Hodlの円建てオファーは1件だけ(支払い方法に終了済みの「Line Pay」を含む)、Peachは銀行振込のオファーが0件で、RevolutやWiseを使う約15件のみでした。Bisqには「Japan Bank Furikomi」という支払い方法がありますが、円の取引量は確認できませんでした。仕組みが分散型でも、不特定の相手と繰り返し売買すれば「業として」の問題は利用者自身に残ります。
P2Pの上乗せ率はどれくらい?一時点のスナップショット
P2Pでは、売り手が市場価格に上乗せ(プレミアム)を乗せて広告を出すのが普通です。日本円の上乗せ率について公表された統計は見つからなかったため、当サイトは2026年10月22日の日本時間18時25分ごろ、各プラットフォームの公開データから円建てUSDT広告の価格を一度だけ取得しました。基準にしたドル円は約158円(欧州中央銀行の前日の参照レートは157.88円)です。あくまで一時点の観測で、継続的な傾向を示すものではありません。また、これらの板は規約上日本居住者を対象外にしており、利用を勧めるものではありません。
| プラットフォームと売買の向き | 1USDTあたり | 約158円との差 |
|---|---|---|
| Binance P2Pで買う(銀行振込の最安広告) | 166.90円 | +5.6% |
| Binance P2Pで買う(PayPay払いの広告) | 176.6〜187円 | +12〜18% |
| Bybit P2Pで買う(最安広告) | 165.00円 | +4.5% |
| OKX P2Pで買う(銀行振込の最安広告) | 167.99円 | +6.3% |
| Binance P2Pで売る(銀行振込の最高値) | 155.29円 | −1.7% |
| OKX P2Pで売る(PayPayの大口) | 150.7〜154.5円 | −2〜−4.6% |
読み取れるのは、買う側は銀行振込で4.5〜6%前後、PayPay払いでは12〜18%も市場より高く払い、売る側は市場と同じか、最大で4.6%ほど安く受け取っていたということです。この差は、本人確認を避けたい需要や、詐欺・返金請求・口座凍結のリスクを価格に織り込んだものと考えられます。なお、Bybitの板では買い広告の価格が売り広告より高い「逆転」が見られ、広告の実在性には疑問が残りました。広告主の素性も確認できていません。
対照的に、国内の登録取引所では「日本だけ高い」という現象は見られませんでした。同じ時刻のCoincheckのBTC/JPYは約1,283.9万円、bitbankとGMOコインもほぼ同じ水準で、海外のドル建て価格を為替で換算した値との差は−0.45〜−0.6%と、為替のタイミングによる誤差の範囲でした。10万円分を買う場合、上乗せ5%なら受け取る暗号資産が約4,800円分少なくなり、15%なら約1万3,000円分少なくなる計算です。ページ上部の計算ツールで、金額と上乗せ率を変えて確かめてみてください。国内各社の実際のコストは取引所の手数料比較で確認できます。
P2Pで売買しても税金はかかる
P2Pで得た利益も、取引所での利益と同じく原則として雑所得給与・事業・不動産などに当てはまらない所得の区分。他の所得と合算して税率が決まる(総合課税)。になり、給与などと合算して所得税(5〜45%)と住民税(10%)がかかります。最高税率は合わせて55%です。暗号資産同士の交換や、暗号資産で支払いをした場合も課税の対象になります。個人間の取引では取引所の年間取引報告書が出ないため、日付、数量、受け取った金額、相手とのやり取りを自分で記録しておかないと、取得価額の計算すらできなくなります。
2026年3月に成立した税制改正で、一定の暗号資産を20%の申告分離課税にする仕組みが法律に盛り込まれました。ただし対象は、金融庁に登録された暗号資産取引業者を通じた売却などに限られます。個人間のP2Pや海外取引所での売却は、制度が始まったあとも総合課税のまま残る見込みです。開始は早くても2028年と見込まれます。詳しくは仮想通貨の税金と確定申告と分離課税20%はいつから?をご覧ください。
P2Pの代わりに使える、より安全な選択肢
P2Pを検討する理由の多くは、国内の登録業者で解決できます。目的別に整理すると次のとおりです。
- 少額ですぐ買いたい
- bitFlyerやSBI VCトレードは1円から、Coincheckは500円相当から購入できます。手順はビットコインの買い方で解説しています。
- PayPayで払いたい
- Binance JapanならPayPayマネーで購入でき、売却代金をPayPayに戻すこともできます。詳しくはPayPayで仮想通貨を買う方法へ。
- 銀行振込以外で入金したい
- Coincheck・BitTrade・Zaifはコンビニ入金に対応しています(1回500〜1,000円程度)。ポイントで買う方法もあります。入金・購入方法まとめで比べられます。
- 暗号資産を円に換えたい
- 国内の取引所で売却し、本人名義の口座に出金するのが基本です。日本円に換金する方法で、保管場所別のルートを紹介しています。
- 1,000万円以上をまとめて動かしたい
- 相対屋ではなく、金融庁登録業者のOTCデスクを使います。暗号資産の大口取引(OTC)ガイドへ。
- 自分で保管したい
- 取引所で買ってから自分のウォレットへ送れば十分です。送金時のルールはウォレットの選び方で確認できます。
登録業者かどうかは、金融庁登録の取引所一覧で登録番号を見れば確かめられます。日本の口座を持てない短期滞在の旅行者は、自国で使っているサービスや、海外発行カードに対応した国際プラットフォームを使うのが一般的です。このサイトのボタンから移動できるCEX.IOは、米国FinCENのマネーサービス事業者(MSB)登録や英国FCAの暗号資産事業者登録を持ち、Visa・Mastercard、Apple Pay、Google Payに対応する国際取引所です。ただし金融庁には登録しておらず、日本円にも対応していません。日本は同社のサービス対象外の国に含まれているため、日本居住者向けの選択肢ではありません。
それでも個人間でやり取りする場合のチェックリスト
家族や友人とのあいだで、一度だけ暗号資産を譲り渡す場面はありうるでしょう。その場合でも、次の点は守ってください。ひとつでも守れない取引なら、国内の登録取引所を使うほうが確実です。
- SNSや掲示板で売買相手を募集しない(「業として」に近づきます)
- 繰り返し・継続的に行わない。利益目的の転売はしない
- 代金は相手本人名義の口座からのみ受け取り、第三者からの振込は受けない
- 入金が確定するまで暗号資産を送らない。電子マネーの送金も取り消しや返金請求の可能性を考える
- 取引所のアカウントや銀行口座を他人に貸さない、売らない
- 日付・数量・金額・相手を記録し、利益が出たら確定申告する
- 海外のサービスで居住地を偽って登録しない。地域制限を技術的に回避しない
相手の言動に少しでも違和感があれば、その場で取引をやめ、最寄りの警察署や金融庁の相談窓口に相談してください。被害に遭ってからでは、取り戻すのは簡単ではありません。
P2P・個人間取引のよくある質問
日本でP2P取引をすると違法になりますか?
友人と一度だけ売買するような取引は「業として」に当たらず、登録は不要と考えられます。一方、SNSや掲示板で不特定の相手を募り、利益目的で繰り返し売買すると、無登録の暗号資産交換業として3年以下の拘禁刑や300万円以下の罰金の対象になりえます。実際に「相対屋」の逮捕が続いています。
バイナンスのP2Pは日本で使えますか?
日本居住者は使えません。Binanceのグローバル版は2023年12月1日で日本居住者向けサービスを終了し、金融庁登録のBinance Japanには日本円のP2P機能がありません。Binance Japanでは、銀行入金やPayPayマネーで暗号資産を直接購入できます。
P2Pで売っただけで銀行口座が凍結されることはありますか?
あります。買い手が詐欺の被害者にあなたの口座へ振り込ませていた場合、被害の届け出をきっかけに振り込め詐欺救済法にもとづいて口座が止められ、残高を失うおそれがあります。正当な売買のつもりでも、凍結の解除には時間と手続きが必要です。
P2Pの上乗せ(プレミアム)はどれくらいですか?
公表された統計はありません。当サイトが2026年10月22日に一度だけ確認した海外P2Pの円建てUSDT広告では、買う側の上乗せは銀行振込で約4.5〜6%、PayPay払いで約12〜18%でした。同じ時刻の国内登録取引所の価格には、こうした上乗せは見られませんでした。
P2Pで得た利益にも税金はかかりますか?
かかります。取引所での売買と同じく原則として雑所得になり、給与などと合算して最大55%の税率です。個人間の取引は年間取引報告書が出ないため、自分で記録を残す必要があります。将来の20%分離課税も登録業者を通じた売却が対象で、個人間の売却は対象外になる見込みです。
本人確認なしで仮想通貨を買う方法はありますか?
日本居住者に案内できる、本人確認なしの安全なルートはありません。国内の登録取引所には法律で本人確認が義務づけられています。「本人確認不要」をうたってSNSで客を集めた相対屋は、無登録営業の疑いで逮捕された例があります。





